米軍がホルムズ海峡でイランのタンカーを攻撃、イラン軍もミサイルで報復

イラン国営メディアは5月7日、軍の関係者の話として、アメリカ軍がイランの石油タンカーを攻撃したと報じた。
イラン南部や首都西部で防空システムが作動
イランの国営放送「IRIB」によれば、ホルムズ海峡でアメリカ軍がイランのタンカーを攻撃したとし、イラン軍が「敵部隊」に向けてミサイルを発射したという。
イラン軍の関係者は、「敵部隊」が損害を受け、現場から撤退したと語ったそうだ。
またその後、イラン南部の都市、Bandar Abbasとゲシュム島で爆発音が聞こえたと報じられている。
ゲシュム島で聞こえた爆発音は、防空システムが複数の小型ドローンを迎撃した際に起きたとされ、Bandar Abbasでも2機のドローンが防空システムによって撃墜されたという。
さらにイラン国営放送「IRIB」は、イランの防空システムが首都・テヘラン西部で稼働を開始したと報じており、別のメディアも防空システムが「敵対する目標への迎撃」を行っていると伝えた。
Iranian state media says air defence systems were activated in western Tehran as multiple explosions were reported across the capital.
Iranian media reported that Iranian forces were responding to what they described as “hostile targets”. pic.twitter.com/4Q2SOoiY3K
— Al Jazeera Breaking News (@AJENews) May 7, 2026
イラン国防軍中央司令部の報道官は、アメリカが停戦協定に違反し、ホルムズ海峡に向かっていたイランの石油タンカーと、別の船舶を標的にしたと非難。
アメリカ軍がイラン南部の都市、KhamirやSirik、ゲシュム島の沿岸で、他の国と協力して民間エリアへの空爆を実施したとも述べた。
その上で報道官は、イラン軍が「ホルムズ海峡東方や、Chabahar港南方で、アメリカ軍の艦艇に対し即座に報復攻撃を行い、甚大な損害を与えた」とし、「いかなる侵略に対しても、ためらうことなく徹底的な報復を行う」と警告した。
アメリカ中央軍はその後、「ミサイルやドローンの発射基地、指揮統制拠点、情報・監視・偵察拠点など、アメリカ軍への攻撃に関与したイランの軍事施設を標的とし、脅威を排除した」と発表。また、アメリカ海軍の駆逐艦3隻がホルムズ海峡を通過中に、イランが複数のミサイルやドローンを発射し、小型艇で攻撃したと明らかにした。
アメリカ海軍の駆逐艦3隻は、イラン側のドローンやミサイルを迎撃し、ホルムズ海峡を通過したと伝えられている。
イランが米の和平案を検討
イラン外務省のEsmaeil Baghaei報道官は5月7日、現在協議されている最も重要な問題は停戦、戦争終結に向けた努力、そして「地域の平和と安定」だと述べたという。
イラン通信(IRNA)のインタビューで、Baghaei報道官は、アメリカの14項目に及ぶ提案はまだ検討中だが、最終決定が下され次第、パキスタンの仲介者に伝えられ、このメッセージのやり取りの結果に基づいて、次の段階が決定されると語った。
イランのアッバス・アラグチ外相も5月7日、アメリカの14項目からなる戦争終結案への回答を準備するにあたり、パキスタンの外相と電話会談を行い、「対話と外交」の必要性を強調した。
またアラグチ外相は、戦争が終結し、封鎖と制裁が解除されれば、ホルムズ海峡の航行は正常に戻ると述べた。
パキスタンとカタールの首相も5月7日、電話会談を行い、「地域情勢」について協議。両首脳は「地域における永続的な平和を確保するための、継続的な努力を促進する強い決意を再確認した」という。
アメリカの14項目に及ぶ和平案の詳細は明らかになっておらず、イランが停戦のために一時的に合意するとの見方がある一方で、アメリカの要求がイランに降伏と全てを放棄するよう求める極端な内容であることから、最終的には合意に至らないとの見方も出ている。
トランプ政権、国連に支援を求める
一方、アメリカのトランプ政権は、ホルムズ海峡開放に向け、国連の支援を求めている。
アメリカは、バーレーン、クウェート、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)と共同で、イランに対しホルムズ海峡における商船への攻撃を停止し、機雷敷設や通行料徴収を中止するよう求める、新たな国連安全保障理事会の決議案を共同で作成した。
そして5月5日にはこの決議案について、非公開協議を開始。トランプ政権は世界各国に対しても、この決議案を支持するよう働きかけている。
もし、この決議案が採択されれば、イランに対する制裁措置が発動される可能性があり、イランがホルムズ海峡における商船への攻撃や脅威を停止しない場合は、武力行使も認められる可能性があるという。
ただトランプ氏は大統領就任以来、国連に対して敵対的な姿勢を取り続けており、国連の役割を軽視し続けてきた。
またトランプ大統領は、「プロジェクト・フリーダム」作戦を開始から36時間で突然中止したが、NBCニュースによれば、この方針転換は、サウジアラビアの皇太子が作戦に反対し、アメリカ軍に対して、領空と基地使用を拒否したことが原因だという。
ただしサウジアラビアの情報当局は、この報道を否定している。
国連の国際海事機関(IMO)のArsenio Dominquez事務総長は5月7日、ホルムズ海峡の混乱により、約1500隻の船舶がペルシャ湾で立ち往生し、2万人の乗組員が足止めされていると明らかにした。
レバノン南部やガザ地区でも死者
イスラエル軍は5月7日もレバノン南部を攻撃し続けており、Haroufの町では空爆により、1人が死亡、3人が負傷したという。
またイスラエル軍の戦闘機は、レバノン南部の町、Ad-Doueirを複数回空爆。最初の攻撃では、町の広場と複数の家屋が破壊され、モスクが損傷。2回目の攻撃では1人が死亡、数人が負傷したそうだ。
他の多くの町も被害を受けており、今回のイスラエル軍の攻撃により、3月2日以来、レバノンでの死者数が少なくとも2727人、負傷者は8438人に達した。
またイスラエル軍は停戦中であるにもかかわらず、ガザ地区へも攻撃を続けており、5月7日には、9人のパレスチナ人が死亡、39人が負傷したという。
死者の中には2人の警察官も含まれており、ガザ地区の保健当局は声明で、「瓦礫の下や道路には依然として多くの犠牲者がおり、救急車や民間防衛隊が、現時点で彼らに近づくことができない状況だ」と訴えた。
昨年10月に停戦が発効して以来、ガザ地区ではイスラエル軍の攻撃により、846人が死亡し、2418人が負傷している。(了)
出典元:Aljazeera:Iran war live: Tehran calls for ‘dialogue’ as it reviews US peace proposal(5/7)

























