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犬の脳が少なくとも5000年前から、小さくなり始めていた可能性

犬の脳が少なくとも5000年前から、小さくなり始めていた可能性
flickr_Michal Ščuglík

犬の脳について研究が進められ、新石器時代後期頃から小さくなり始めていた可能性が示された。

 

古代と現代、犬とオオカミの脳を比較

 

この分析を行ったのは、フランス国立科学研究センターの研究主任である、トーマス・クッキ博士が率いる研究チームだ。

 

彼らは、3万5000年前から5000年前のオオカミと犬、22頭の頭蓋骨のCTスキャン画像、そして現代のオオカミ59頭と現代の犬104頭の頭蓋骨のCTスキャン画像を分析したという。(現代の犬の中には、野良犬やディンゴなども含まれている)

 

また研究者らはこれらのスキャン画像を用いて、犬の進化の歴史における脳のサイズの変化を追跡。その結果、現代の犬やディンゴ、野良犬、そして新石器時代後期(約5000年前から4500年前)の犬を総合的に見ると、脳の大きさが古代または現代のオオカミよりも32%小さかったことが明らかになった。

 

さらに新石器時代後期に生息していた犬は、同時代のオオカミよりも脳の大きさが46%小さく、現代のパグと同程度の大きさだったという。

 

もっともこの時代の犬も、オオカミより体格は小さかった。ただそれを考慮しても、古代のオオカミより、犬の脳が著しく小さかったことが判明したそうだ。

 

しかも3万5000年前と1万5000年前に人類と共存していた2種の犬(いわゆる「原犬」)の脳が、これらの古代のオオカミよりも小さいという兆候は発見できなかったという。

 

実際、一方の犬の脳は比較的大きく、研究者らは、家畜化の初期段階で脳の大きさが実際に増大した可能性があると示唆している。

 

脳の縮小は家畜化の特徴

 

脳サイズの縮小は一般的に家畜化の特徴と考えられているが、犬がオオカミよりも脳が小さくなった正確な時期については長年議論が続いており、一部の専門家は犬と人間の関係の初期に起こった可能性を示唆していた。

 

また人間と犬の関係は古く、ある研究によると、家畜化された犬に関する最も古い直接的な遺伝学的証拠は、1万5000年以上前に遡るという。

 

今回の研究には参加していない、イギリス・ポーツマス大学のジュリアーネ・カミンスキー博士は、この研究結果で特に重要な発見について、「原犬」の脳がオオカミよりも小さくなかった点だと指摘。原犬が、家畜化の兆候をまだ示していなかったと語った。

 

またカミンスキー博士は、今回の研究により、人間と犬の関係が、最初は比較的緩やかなものだったが、その後非常に強い絆へと発展した可能性が示唆されたとの見方を示した。

 

今回の研究では、犬の完全な家畜化が確立された時期が、遺伝子データが示すよりも少し後になる可能性が示されたと考えられている。(了)

 

出典元:The Guardian:Dogs’ brains began to shrink at least 5,000 years ago, study finds(4/29)

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