中国の侵攻が近い!?台湾が国民向け戦時サバイバル・ハンドブックを発表
台湾の軍を司る中華民国国防部が、4月12日、一般国民に向けて戦時の心得をまとめたハンドブックをリリースした。
中国はここ数年、台湾を武力併合する意図があることを臭わせ、台湾近辺での軍事活動を活発化させている。ハンドブックは、中国との戦争を想定したものだろう。いよいよ日本周辺もきな臭くなってきた。
戦災を生き延びるためのノウハウ
『全民国防手帳』というタイトルのそのハンドブックは全28ページ。戦災を生き延びるためのノウハウや情報が掲載されている。その目的について、国防部の担当官は、メディアにこうコメントしている。
「この冊子は、戦時の状況を想定したさまざま場合に、国民がどう対応すればいいかを教えるものです」
「起こり得る軍事的危機や戦災に見舞われた際に」、身の安全を確保し、生き残るため情報が提供されているそうだ。
また、この冊子は、スウェーデンと日本で発行された同様の冊子を基にして作ったと、担当官は言っている。日本では、このような冊子が近年発行されたという話は聞かないので、おそらく第二次世界大戦中のものだろう。
これを作成したのは、国防部の中の「全民防衛動員署」という部署らしい。この部署は、中国による侵攻を念頭に、2021年12月に創設されたもの。設立式で蔡英文総統は、「全国民で防衛するとの観念を確立することによって堅固な国防体制を築ける」と述べている。
全民国防手帳
具体的な内容は、というと、避難すべき防空壕の場所をスマートフォンアプリで見つける方法や、水・食料の配給の受け方、用意しておくべき応急処置のキットなどだ。
親しみやすいイラストが多用されているが、廃墟となった街で戦う兵士のシルエットがそれとは対照的な生々しさを醸し出している。
例えば下にあるのは、空襲警報が鳴って防空壕に避難した際に取るべき姿勢を説明したページ。
空襲を受けた時に家屋内でどうすればいいかを説明したページもある。体に火がついたときは地面を転げ回って消すように、と書かれている。
下は、停電への備え。
全ページのpdfが、中華民国国防部のホームページで公開されている。
出典元:Reuters:Taiwan issues first war survival handbook amid China threat(4/12)
出典元:New York Post:Taiwan issues war survival handbook over Chinese invasion threat(4/12)
出典元:中華民国国防部:「全民國防手冊(範本)」(4/12)