ウクライナの大学教授、最前線の戦場から学生に講義
国を守るため兵士として戦いながら、リモートで講義を続けるウクライナの大学教授がいる。フル装備の戦闘服姿で、スマートフォンを通じて学生たちに語りかける彼の姿が、ネット上に拡散されている。
自動小銃を携えて講義
ウクライナ・ウジホロド国立大学のFedir Shandor教授が、その人だ。大学は、彼が兵士としてウクライナ東部の戦闘に参加していることを公式に認めている。また教授本人も、おそらくネットで話題になったせいだろう、大学を通してこんなコメントを発表している。
「我々は教養ある国のために戦っています。もし私が授業をしなければ、そもそも私が戦争に行ったのは何のためかということになってしまいます。そうなっては残念ですから」
拡散されている写真は、海外メディアによれば、同僚兵士であるViktor Shchaediさんが撮ったもの。土を掘った待避壕の中で、ヘルメットを被り、自動小銃AK-103を膝に載せたShandor教授が、スマートフォンでリモート講義をしている場面だ。ウクライナ国防省の公式ツイッターでもシェアされている。
This is Prof. Fedir Shandor, giving a lecture to students. An ethnic Hungarian from the westernmost part of 🇺🇦. A serviceman of the #UaArmy who has volunteered to defend 🇺🇦 and is currently serving 1,000 km from his home. This is what the pride of European civilization looks like pic.twitter.com/bA8Bsd31pY
— Defence of Ukraine (@DefenceU) May 6, 2022
砲撃音の中で講義
Shandor教授は、ロシアがウクライナに侵攻を開始した2月から兵役についた。その時から戦闘任務を夜間にシフトしてもらい、毎週月曜・火曜の朝8時から講義を始めている。これまで1度も休んだことはないそうだ。
「どこかから砲撃の音が聴こえても、講義には関係ありません。トラクターが近くを通り過ぎたようなものです。講義はいつも待避壕の近くで行なっています。ついさっきも砲撃音が聴こえたので、待避壕に入って講義を続けました」と教授はコメントする。
スマートフォンを持つ教授の手は、怪我をしたのだろう、包帯が巻かれている。危険と隣り合わせの最悪の場合、命も危ない講義だ。だが講義内容はというと、戦場には似合わない「観光とホスピタリティ(おもてなし)」についてだそう。それが役立つ平和な時が、少しでも早く訪れることを祈りたい。(了)
出典元:New York Post:This Ukrainian professor is teaching his class remotely — from the front lines of war(5/6)
出典元:Washington Examiner:Ukrainian professor teaches class from front lines(5/6)