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全米で中絶禁止を非難するデモ行進、最高裁の判事のリークを受け

全米で中絶禁止を非難するデモ行進、最高裁の判事のリークを受け
YouTube/Storyful News & Weather

5月14日、アメリカ全土で女性の中絶する権利を守ろうとする人々がデモを行った。中絶の権利を巡る問題について、BBCが詳しく解説している。

 

「1973年の判決は間違っている」

 

アメリカでは、1973年の画期的な判決によって、中絶が合法となった。しかし先日、連邦最高裁判所の判事の文書がリークされ、再び中絶が禁止される可能性が出てきたという。

 

連邦最高裁判所の判事は9人いるが、そのうち6人は保守派の共和党の大統領によって任命されている。

 

そのうちの1人、サミュエル・アリート判事の意見書案がリークされ、1973年に行われた「ロー対ウェイド裁判」の判決を「著しく間違っている」とするコメントが書かれていたそうだ。

 

これにより14日には、ニューヨーク市などで、女性の中絶の権利を守ろうとする数千人の人々が集まり、デモを行ったという。

 

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「ロー対ウェイド裁判」とは?

 

「ロー対ウェイド裁判」は1969年、当時25歳の独身女性だったノーマ・マコーヴィーが「ジェーン・ロー」という偽名で起こしたもので、テキサス州の中絶に関する法律に異議を唱える内容だった。

 

当時、テキサス州では、母体の生命に危険が及ぶ場合を除き、中絶を違憲として禁じていたという。

 

ダラス郡の地方検事・ヘンリー・ウェイド氏は、この中絶禁止法を擁護。一方、マコーヴィーさんは裁判で「レイプされ、3人目の子供を妊娠していた」と訴えたが、結局却下されてしまい、子供を出産することになる。

 

しかし裁判は連邦最高裁判所まで進み、マコーヴィーさんは、ジョージア州の20歳の女性、サンドラ・ベンシングさんと共に、テキサス州とジョージア州の中絶法は、女性のプライバシー権を侵害するものであり、憲法に違反すると主張した。

 

そして1973年、連邦最高裁の判事、7対2の割合で、連邦政府は中絶を禁止する権限を持たないという判決を下した。つまり妊娠を解消する(中絶する)女性の権利は、アメリカ合衆国憲法によって守られていると判断したという。

 

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妊娠後期には政府の規制を認める

 

また、「ロー対ウェイド裁判」では、妊娠後期の女性が、生命や健康を守るために必要であると医師が証明した場合に限り、法律で禁止されていても中絶を行うことができることを定めたそうだ。

 

しかし同時に、この裁判により、「トリメスター」制度が生まれた。これはアメリカ人女性に妊娠初期の3ヶ月間(トリメスター)は中絶をする絶対的な権利が与えられると同時に、妊娠後期には政府の規制を認めるというもの。

 

そしてこの裁判から49年間で、中絶を制限する判決が徐々に増え、今では多くの州で、妊婦が中絶を決断する際、両親や裁判官を関与させなければならないといった規制が設けられるようになったという。

 

現在、連邦最高裁は、15週以降の中絶を禁止しているミシシッピ州に異議を唱える裁判を審議しており、そんな中で判事の「ロー対ウェイド裁判」の判決が「著しく間違っている」といった意見書案がリークされた。

 

そしてもし連邦最高裁判所で、ミシシッピ州を支持する判決が出れば、合衆国憲法が定める中絶の権利は事実上消滅し、中絶の権利は再び各州の判断に委ねられることになるという。(了)

 

出典元:BBC:Roe v Wade: What is US Supreme Court ruling on abortion?(5/3)

出典元:CBS:Thousands take to New York City streets to support abortion rights(5/14)

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