ウクライナ軍が南部で反転攻勢か、ヘルソンにある44の地域を奪還
ウクライナ軍が南部の複数の地域をロシア軍から解放したと、地方当局が発表した。
44の地域をロシア軍から解放
南部・ヘルソンの地方軍政局の局長代理であるドミトリー・ブトリイ氏によれば、ウクライナ軍が44の地域をロシア軍から奪還したという。
この情報はウクライナ軍参謀本部も同意している公式データに基づいたもので、解放された地域は、ヴェリカ・オレクサンドルフカ(Velyka Oleksandrivka)やコチュベイブカ(Kochubeyivka)、ノヴォヴォロンツォフカ(Novovorontsovka)などの町に属しているそうだ。
また現在ヘルソンの最前線にいるウクライナ軍は、「非常に効率的に活動しており、意欲的」だとされている。
先日からウクライナ政府は、南部地域で攻勢をかけるため、住民には避難するよう求めていたが、現在ロシア軍はサポリージャ州の住民の避難を妨害し、「人間の盾」にしようとしているとの情報も出ている。
ロシア軍、過去72時間進展なし
一方、ウクライナ東部の状況について、イギリス国防省は、ロシア軍に進展はないと明らかにした。
イギリス国防省の分析によれば、ロシア軍は東部のドンバス地方において、過去72時間、前進が見られず、新たな領土を確保できていないという。
またロシア軍は先日、ルハンシク州の町、リシチャンスクを掌握したが、今後はその勢いを失う可能性もあると指摘している。
ロシア軍が兵士不足か?
またアメリカのシンクタンク「戦争研究所」によれば、ロシア政府が兵士の不足を補うために「志願動員(volunteer mobilizations)」をかけ始めたという。
これは全面的な動員の代わりに行われるもので、大隊を形成する志願者を募集し、金銭的なインセンティブを与えるものだと見られている。
ロシア政府は、占領したウクライナの地域を含む85の州や地域に「志願動員」をかけ、ウクライナ侵攻に参加するための義勇兵大隊を編成するよう命じたようだ。
各州が400人規模の軍隊を少なくとも1つ作れば、8月末までに3万4000人の兵士を新たに生み出すことができると考えられている。
ウクライナ中部で23人が死亡
ウクライナ中部のビンニツァ市では14日、ロシアのミサイルが市民の建物と文化センターを攻撃し、少なくとも23人(うち子ども3人)が死亡、最大50人が負傷したという。
戦争の最前線から遠く離れたビンニツァへの攻撃は、14日の午前中、通りに人々が溢れている時に行われたそうだ。
ウクライナの国家緊急サービスによると現在、行方不明とされる46人の捜索を続けているという。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war latest: more than 20 people killed in what Zelenskiy called ‘act of Russian terror’ in Vinnytsia(7/14)