国際原子力機関が、ザポリージャ原発付近での軍事行動の停止を要求
国際原子力機関(IAEA)は、ウクライナ南部のザポリージャ州にある原子力発電所付近での軍事行動を停止するよう要求した。
攻撃により原子炉の1つが停止
IAEAは、先日ザポリージャ原発が砲撃を受け、原子炉の1つが停止したことを踏まえ、「核災害の現実的なリスク」が生じたとした。
このためザポリージャ原発付近での軍事行動を直ちに停止するよう、要求したという。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア側は原発をテロのために利用していると非難しており、IAEAのラファエル・マリアノ・グロッシ事務局長も、今回の原発の被害の報告に対して「非常に懸念している」と述べている。
南部で最も激しい戦闘が起きる可能性
一方、イギリス国防省によれば、ウクライナにおける戦争は、新たな局面を迎えようとしているといった分析結果を発表した。
イギリス国防省は「今後、最も激しい戦闘が、南部を流れるドニエプル川に平行して、ザポリージャ付近からヘルソンまで南西に伸びるおよそ350キロの前線に移るだろう」と述べた。
ロシアはウクライナ南部で軍を増強しているが、まだ増強の目的は明確になっていない。
その点についてイギリス国防省は、ロシア軍が新たな攻撃の準備をしている可能性もあるし、単にウクライナからの反撃を予期しているだけの可能性もあると指摘している。
またウクライナ軍は、ロシアの南部地域における補給能力に影響を与えるため、橋、弾薬庫、鉄道網をターゲットにしているという。
外国船籍の船がウクライナに入港
2月の戦争開始以来、ウクライナの港には外国船籍の船が初めて入港し、現在穀物を積んでいるという。
その貨物船は、バルバドス船籍の「フルマーS」で、8月6日にウクライナのチョルノモルスク港に到着したそうだ。
ウクライナのインフラ相であるオレクサンドル・クブラコフ氏は、「2週間後には少なくとも1日3〜5隻の水準に達する予定だ」と述べている。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: what we know on day 165 of the invasion(8/7)