【ブラジル】サル痘を恐れ、人々が野生のサルを攻撃または毒殺
ブラジルでサル痘を恐れた人々が、野生のサルを攻撃し、毒殺しているという。
自然保護区で10匹のサルが傷つけられる
ブラジルのニュースサイト「G1」によれば、サンパウロ州リオ・プレトの自然保護区で、1週間足らずの間に10匹のサルが毒殺、あるいは故意に傷つけられたという。
この地域ではサル痘が3例報告されており、報告後にサルが人間によって攻撃されたと考えられている。
当局は、このような攻撃が国内の他の地域でも見られ、サル痘と野生のサルが関係あるのではないか、と人々が恐怖に駆られているとの見方を示した。
WHOが声明を発表
ブラジルは、サル痘の世界的流行で最も影響を受けている国の1つとされ、現在1700人以上の症例があるという。
また、アフリカ大陸以外でサル痘ウイルスによる死者が出ている国の1つだとされている。
しかし人間によって、野生のサルが傷つけられる事態となり、世界保健機関(WHO)は、サル痘が野生のサルとは無関係であるとの声明を出さざるを得なくなった。
WHOのマーガレット・ハリス報道官は8月9日、ジュネーブで記者団に対し、次のように語っている。
「人々が知るべきことは、我々が見ている感染は人間同士の間で起こっているということです。(略)これは密接な接触感染です。だから心配すべきは、人間がどこで感染しているのか、そして感染しないように、感染させないように、自分たちを守るために何ができるのか、ということです。感染した人へのあらゆる汚名は、感染を増加させるでしょう。なぜなら、もし感染していることを知られるのを恐れれば、人々はケアを受けず、予防策を講じないからです。だから、どんな動物にも人間にも汚名を着せないでください。そんなことをしたら、もっと大きな流行が起こるでしょう」
8月2日現在、世界ではサル痘の感染者が2万5391人確認され、12人が死亡したと報告されている。また症例のほとんどが、歴史的にこの病気が報告されたことのない国々(アフリカ以外の国々)で確認されているという。(了)
出典元:METRO:Monkeys poisoned and attacked in Brazil over pox fears(8/10)