【ドイツ】ライン川で過去最低の水位を記録、経済活動にも影響を与える恐れ
ヨーロッパ各地では干ばつが続いているが、ドイツのライン川もかなり水位が低下していると言われている。
フランクフルト近郊の町で、最も水位が低下
ドイツなどを流れるライン川は8月12日、過去最低の水位を記録したという。
特にフランクフルト近郊の町、カウブでの水位は、川の他の場所よりも浅く、12日の午後には40cmを下回ったそうだ。
この水位は、多くの船の通行ができなくなるレベルだと言われている。
ドイツ連邦水路船舶管理局の日報によると、この重要な水路の水位はこの時期としては異例の低さで、今後3〜4日でさらに10〜15センチ下がると推測されているという。
germany’s rhine river is drying up
disrupting barges carrying coal/oil/gasthe last thing the germans need right now pic.twitter.com/h6KnrPmvOq
— ian bremmer (@ianbremmer) August 11, 2022
燃料や食料を川で運搬していた
ドイツの大企業は、燃料(石油やガス)の供給をライン川に依存しており、従来は船でそれらを大量に運ぶことができていたという。
また最近は、ロシアが天然ガスのパイプラインを閉じているため、ドイツ政府は発電所をより多く活用しようと決断し、船を使って石炭を運ぶようになったそうだ。
しかし先週は船がライン川を航行することができたが、川の水位低下とともに、企業は積載量を減らすことを余儀なくされているという。
また鉄道や道路に輸送を切り替える能力も限られているそうだ。例えば通常、川で船が運べる小麦の量は約1000トンだが、同じ量の荷物を移動させるには約40台のタンクローリーが必要とされている。
Drought has lowered Europe’s Rhine River levels so low that large cargo ships can no longer sail the water way. There is physically not enough depth to float! Companies are now using multiple smaller ships & charging more to meet demand. And who’ll cover the cost? #ClimateChange pic.twitter.com/1oSEI0f6DN
— Mrigank Shail, MD (@mrigankshail) August 12, 2022
環境保護主義者からも懸念の声
もっとも今年の夏に、ライン川の航路が閉鎖される恐れはないという。
しかし環境保護主義者からは、川の高水温が環境に与える打撃を懸念する声が上がっているという。
気候学者のカルステン・ブラント氏はシュピーゲル誌に「水温が高すぎるため、ライン川に生息する動物や魚類、生態系全体に有害な影響を与えている」と述べている。(了)
出典元:The Guardian:Rhine water levels fall to new low as Germany’s drought hits shipping(8/12)