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珍しい大気現象「スティーブ」が、カナダ南部に出現【動画】

珍しい大気現象「スティーブ」が、カナダ南部に出現【動画】
Twitter/Alan Dyer

先週、北米上空の夜空に「スティーブ(STEVE)」と呼ばれる、珍しい大気現象が観測された。

 

カナダ南部に出現

 

「スティーブ(STEVE)」とは、「Strong Thermal Emission Velocity Enhancement(強力熱放射速度向上)」の略で、数百マイルにわたって空を切り裂く、細長くて熱いガスの断片のことだ。

 

一般にオーロラの一部と間違われるが、実際は全く別のものと考えられている。

 

しかし先週、太陽活動の高まりと、地球を包囲している太陽嵐によって「スティーブ」が引き起こされたと考えられ、カナダ南部に出現したところを、写真家のアラン・ダイヤー氏が撮影した。

 

Twitter/Alan Dyer

オーロラとは異なる現象

 

ダイアー氏によると、「スティーブ」は約40分間続き、太陽から来る荷電粒子(イオンや電子)の急激な流れによって引き起こされるオーロラが収まった後に出現したという。

 

「スティーブ」は、その輝きが完全にそれらの荷電粒子によるものではないため、実はちゃんとしたオーロラではない。

 

「スティーブ」は2016年にカナダ西部のアマチュア天文学者によって初めて発見され、科学的には「完全に未知なもの」と宣言された。

 

それ以来、研究者たちが調査を続け、それはオーロラのようなものだが、実際は違うという結論に達している。下の動画は今回の撮影を収めたもの。

 

A Showing of STEVE from Alan Dyer on Vimeo.

2つの性格を持つ大気現象

 

2019年の研究では、「スティーブ」が2つの異なるプロセスによって駆動し、正反対の性格を持っていると結論づけられた。

 

赤みがかった「アーク(プラズマの一種)」は大気中の荷電粒子の「加熱」によって引き起こされるが、一方緑色の「ピケットフェンス」の筋は通常のオーロラのようなものと考えられている。

 

カルガリー大学の宇宙物理学者でこの研究の共著者であるBea Gallardo-Lacourt氏は、「オーロラは粒子の降水、つまり電子や陽子が実際に大気中に降り注ぐことによって定義されますが、スティーブの大気中の輝きは、粒子が降り注ぐことなく、加熱によって起こります」と説明している。(了)

 

出典元:METRO:Massive solar storm causes STEVE to reappear over North America(8/11)

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