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「動員」がロシア全土に衝撃、各地でデモが勃発、国外脱出で航空便も完売

「動員」がロシア全土に衝撃、各地でデモが勃発、国外脱出で航空便も完売
Twitter/Matthew Luxmoore

ロシアのプーチン大統領は9月21日、ウクライナでの兵員不足を補うため、部分的動員を行うと発表したが、国内ではそれに反対する大規模なデモが起きた。

 

核兵器の使用をほのめかす

 

プーチン大統領は21日にテレビ演説で、ウクライナとの戦争のために、ロシアの国民と経済を戦時体制に置き、部分的な動員を行うと発表した。

 

またロシア軍が占領しているウクライナでの住民投票を支援するとし、ロシアの領土に対して攻撃を行った場合、「ロシア軍はそれに対応するための多くの武器を持っている」と述べ、核兵器の使用をほのめかし、「これはハッタリではない」と述べた。

 

ロシアのショイグ国防相は、この部分的動員が「軍隊経験のある人」に適用され、30万人のロシア人が召集されるだろうとの見方を示した。

 

1178人以上が拘束される

 

この発表はロシア全土に衝撃を与え、38の都市で反戦デモが勃発。これまでに1178人以上が拘束され、その多くがモスクワやサンクトペテルブルグで、デモに参加した人たちだったという。

 

第3の都市ノヴォシビルスクでは、「プーチンのためにも、あなた(警官に対し)のためにも死にたくない!」と叫ぶデモ参加者の動画が撮影され、SNSに投稿されている。

 

そしてネットでは、徴兵を免れるために「腕を折る方法」のグーグル検索が急増したそうだ。

 

国外への航空便が売り切れ、株価も暴落

 

また「部分的動員」が発表された数時間後には、国外に脱出する人が急増。ロシア発のほぼすべての航空便のチケットが売り切れたという。

 

モスクワから、ビザなしで入国できるジョージア、トルコ、アルメニアへ向かう航空便のチケットは、プーチン大統領の演説後数分間で、売り切れになったそうだ。

 

しかもモスクワからアゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスタンへの直行便も利用できなくなったと言われている。

 

さらにプーチン大統領の演説後、ロシアの株式市場は急落。ロシア大統領の発表により、モスクワ証券取引所のMOEX指数は10%も下落したという。

 

西側の指導者らも非難

 

無論、プーチン大統領の「核の脅し」に対しても、世界各国から非難の声が寄せられている。

 

アメリカのジョー・バイデン大統領は、プーチン大統領の核兵器使用の脅しを「無謀」で「無責任」だと非難。

 

ロシアが占領しているウクライナの地域の併合を、国連憲章に対する「極めて重大な違反」だと述べた。

 

またバイデン大統領は国連総会で演説し、プーチン大統領の行動と「帝国的野心」が国連創設時の価値観にもたらす脅威だと述べ、一部の発展途上国を中立的立場から引き離そうと試みたという。

 

NATOのストルテンベルグ事務総長も、ロシアの指導者が「危険で無謀な」核のレトリックを使用したと批判。ドイツのショルツ首相も、この発表を「自暴自棄の行為」と評している。

 

欧州委員会の報道官は、プーチン大統領が「非常に危険な核の賭け」をしており、「このような無謀な行動はやめるべきだ」と述べたという。

 

一方、ウクライナ軍のヴァレリー・ザルジニ司令官は「ロシアの指導者のどんな声明も、ウクライナ人の国を守る意志を抑止することはない」とし、次のように述べている。

 

「何十万人もの(ウクライナの)男女が、生まれ育った土地、家、子どもたち、そしてウクライナの未来を守っている。私たちは、武器を持って私たちの土地にやってくる者を、自発的であろうと動員されたものであろうと、すべて破壊する」(了)

 

出典元:The Guardian:Ukraine war live: Arrests at anti-war protests in Russia pass 1,000 as demonstrators gather outside embassy in Warsaw(9/21)

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