ファイザー社が子供たちにワクチン接種を促すコミックを発表、批判を浴びる
大手製薬会社「ファイザー(及びBioNTech)」と出版会社「マーベル」が組んで、新型コロナ・ワクチンのブースター接種を促すコミック(漫画)を発表した。
新型コロナとの戦いを象徴的に表現
そのコミックのタイトルは「エブリデイ・ヒーローズ」。これは10月6日に発表され、人々に新型コロナのワクチン接種を受けるように勧める内容になっているという。
コミックでは、アベンジャーズが悪役の「ウルトロン」を退治するという内容で、ファイザーがワクチンで新型コロナに対抗することを象徴的に喩えているそうだ。
現在、アメリカでは新型コロナのブースター接種が伸び悩んでおり、ファイザー社は、このコミックの目的が、ワクチンで「最新の状態に保つ」ことにより「自分自身を守る」ことを奨励することだと述べている。
「倫理的に極めて疑わしい」
しかし専門家は、このコミックはワクチン接種の必要性の低い若者(子供たち)をターゲットにしているように見えると警告している。
イギリスのイースト・アングリア大学のデビッド・リバモア教授は、MailOnlineに対し、子供たちが新型コロナで重症化するリスクは事実上ゼロだとした上で、次のように述べている。
「複雑な免疫学やワクチン学の知識を持たない子供たちに向けた宣伝マンガは、倫理的に極めて疑わしいものです。医学や公衆衛生にはふさわしくない」
同教授によれば、ほとんどの子供たちはすでに一度は新型コロナに感染しており、ワクチン接種よりも「長持ちし、広範な自然免疫」を持っているという。
このため健康な子供の場合、重症化するリスクは極めて低く、つまり「ワクチンによる恩恵はほとんどない」と述べている。
一方、リバモア教授は、心筋炎(心臓に炎症を起こすまれな病気)のリスクは「小さいが確実」であり、これはウイルスで死ぬ危険性のない健康な子供にとっては「許容できないリスク」である、とも述べている。
ファイザー社は現在、新しい2価のブースター・ワクチン(従来株とオミクロン株対応)を5歳から11歳の子供たちに承認するよう働きかけているという。(了)
出典元:MailOnline:Pfizer faces backlash for creating pro-vaccine Marvel comic: Experts say PR tactic is ‘ethically dubious in the extreme’(10/7)