イラン最高指導者の顔に照準、国営テレビがハッキングされメッセージが浮上
イランで反政府デモが広がりを見せる中、イランの国営テレビがハッキングされ、画面にメッセージが映し出された。
ニュース番組で突然、画面が切り替わる
そのテレビ局とは、イラン・イスラム共和国放送(IRIB)傘下のイラン・イスラム共和国ニュース・ネットワーク(IRINN)だ。
10月8日の夜(現地時間)、同放送局はニュース番組で、ブシェール市での会合に出席する最高指導者アリ・ハメネイ師の様子を放映していたが、突然画面が切り替わったという。
画面には、ライフルの照準が重ねられたハメネイ師の姿や、犠牲者となった4人の女性の写真、そして「私たちに加わって立ち上がりなさい」「私たちの若者の血が、お前(ハメネイ師)の両手から滴り落ちている」と書かれたメッセージも映っていた。
#BREAKING The Edalat-e Ali hacktivist group hacked the Iranian state TV’s live news broadcast, displaying a photo of Khamenei with the verse “The Blood of Our Youths Is on Your Hands” along with photos of #MahsaAmini and three other girls killed in #IranProtests. pic.twitter.com/dYM7flUBQt
— Iran International English (@IranIntl_En) October 8, 2022
「女性、命、自由」の歌も流れる
この国営放送へのハッキングは、「Edalate Ali(アリの正義)」と名乗るグループにより行われたと考えられ、15秒間映像が差し変わったという。
また差し変わった映像には、反政府デモで掲げられているスローガン「女性、命、自由」といった歌詞の曲も流されていたそうだ。
イランで反体制デモが勃発したのは9月17日。ヒジャブを適切にかぶっていなかったとして道徳警察に拘束され、死亡した22歳のクルド人女性、マフサ・アミニさんの葬儀が営まれた後だったとされている。
その後、何千人もの女性が抗議のために全国で街頭に立ち、激しい弾圧に抵抗。人権団体によれば、150人近くが殺害され、数百人が逮捕されたと推定されているという。
すでに反政府デモは4週目に入っているが、クルド人居住区のサナンダジでは2人が治安部隊によって殺害されたと報じられている。
そのうちの1人の男性は車を運転中に警察に射殺され、2人目の抗議者は群衆を解散させるために治安部隊が発砲し、殺害されたそうだ。(了)
出典元:INDEPENDENT:Iran state television hacked live on air with image of Ayatollah in flames and crosshair on his head(10/9)