中国で習近平打倒の横断幕、謎の人物の抗議活動にネットで称賛の声
中国では習近平氏が国家主席として3期目を目指しているが、北京では以前、政治体制を批判する横断幕が掲げられたという。
習近平政権やゼロ・コロナ政策への批判
その横断幕は、共産党大会が始まる前の10月13日に、北京の海淀区にあるSitong橋に掲げられたという。
横断幕は2枚あり、1つには「ゼロ・コロナ政策」を批判する言葉が書かれ、もう1つには習近平政権の打倒を呼びかける内容になっていたそうだ。
この事実について中国の国営テレビは伝えていないが、横断幕の写真や動画はネット上で広く拡散し、SNSやアプリの検閲官は迅速に取り締まったと言われている。
黒竜江省出身の研究者に注目
当初はこの横断幕を掲げた人物に関しては謎とされてきたが、その後の報道によれば、1人が治安当局に拘束されたという。
その人物については明らかになっていないが、ネットでは中国北部・黒竜江省の村の出身である中国人研究者・物理学者に注目が集まったそうだ。
この研究者は、研究サイト「ResearchGate」にマニフェストと思われるものを投稿。その23ページに及ぶ文書の中で、彼は日曜日にストライキと市民的不服従行為(新型コロナ検査所を破壊するなど)を行うよう呼びかけていたという。
この文書はその後、削除されたが、他の人がそのコピーをアップロードしており、そこには「独裁者である習近平が違法に政権を継続するのを阻止。中国が民主と自由への道に踏み出すためだ」と書かれていたそうだ。
ネットに称賛の声が集まる
一部の中国人ユーザーは、この男性の2つのツイッターアカウントに着目。研究者の写真と称するものを投稿し、数百の感謝のメッセージを書き込んだという。
あるユーザーは「あなたは英雄であり、私の尊敬の対象です」とコメントし、別のユーザーも「国民の英雄に敬礼!無事に帰れることを祈っています!」と書き込んでいるそうだ。
また他のユーザーは、この抗議行動を賞賛し、その人物を「英雄」と呼び、さらに1989年の天安門事件の際に戦車の前に立ちはだかった中国人男性にちなみ、彼を「新しいタンクマン」と呼んでいる人もいるという。(了)
出典元:BBC:China protest: Mystery Beijing demonstrator sparks online hunt and tributes(10/15)