カナダで撃墜された飛行物体、愛好家グループの気球だった可能性
先日、カナダ上空で、謎の飛行物体が撃墜されたが、愛好家グループの気球だった可能性が囁かれている。
アマチュア愛好家の気球も行方不明
北米航空宇宙防衛司令部は2月11日、カナダのユーコン準州で謎の飛行物体を発見し、F-22戦闘機によってそれを撃墜した。
そしてイリノイ州のアマチュア気球愛好家グループ「北イリノイ・ボトルキャップ・バルーン旅団」は同じ日に、趣味で打ち上げたピコ・バルーン(小型の気球)が、アラスカ上空で行方不明になったとブログで明らかにしたという。
もっとも愛好家グループは、自分たちの気球が行方不明だとし、撃墜との関連を認めておらず、アメリカ政府も見解を示していない。
ただ、もし撃墜されたのが愛好家らの気球だとすれば、アメリカ軍は43万9000ドル(5900万円)のミサイルを使い、約12ドル(約1600円)の無害な風船を落下させたことになる。
米軍の発表と大きさは異なる
その日の午前12時48分に確認された最後の電子記録によるピコ・バルーンの軌道は、撃墜との関連性を示唆しているという。
また当時ピコ・バルーンが飛行していた高度も、米軍が報告した4万フィートとほぼ同じだったそうだ
ただし愛好家グループのブログによれば、このピコ・バルーンは直径32インチ(約81cm)、円周100インチ(約254cm)で、米当局が発表していた「小型自動車ほど」よりは、かなり小さ目となっている。
気球と無線が手軽に楽しめる
この気球には、小さな鳥よりも軽いトラッカーやソーラーパネル、アンテナパッケージが搭載され、気球に充填されるガスは1立方フィート(1フィートは約30cm)以下だとされている。
またAviation Week誌によると、ピコ・バルーンは約12ドル(約1600円)から購入できる小型ホビーバルーンで、愛好家は高高度気球とハム無線を手軽な方法で組み合わせることができるという。
愛好家らの気球はすでに124日も飛行を続けており、地球7周を完了させる3日前に行方不明になったと言われている。(了)
出典元:The Guardian:Object downed by US missile may have been amateur hobbyists’ $12 balloon(2/17)