ロシアに連れ去られたウクライナの子供たち、17人が解放され家族と再会
ロシアによって拉致されたウクライナの子供たちが、解放され、家族の元へと戻された。
NGOの活動により解放される
ウクライナ側に戻された子供たちは全部で17人。彼らは、ロシア軍が侵攻して町が占領された時、クリミア半島に連れて行かれたという。
しかしNGOの「セーブ・ウクライナ」の尽力により、今回子供たちは解放され、ウクライナの首都・キーウで両親らと再会を果たした。
EUのウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長も、「セーブ・ウクライナ」の働きを賞賛。その上で次のように非難した。
「これは私たちの歴史において、最も暗い時代を思い出させる恐ろしい出来事です。そこで起きた子供たちを連れ出すという行為は、戦争犯罪です」
17 Ukrainian children deported by Russia to its territory are finally in Ukraine. pic.twitter.com/3SQoAWtXXA
— Save Ukraine (@SaveukraineUs) March 22, 2023
サマーキャンプへ子供たちを送り出す
3人の父親であるDenys Zaporozhchenkoさんは、昨年10月、ヘルソン州から子供たちをロシアのサマーキャンプへ送り出したという。
当時、ロシア当局は子供たちを1~2週間、こうしたキャンプに送ると述べており、Zaporozhchenkoさんもヘルソンでの戦闘が激化する恐れがあるため、子供たちをクリミアへ送ることは悪くないと考えていたそうだ。
しかし「キャンプへ行かせるべきでなかったと気づいた時には、もう手遅れだった」と述べている。
また「セーブ・ウクライナ」で働く弁護士、ミロスラヴァ・ハルチェンコ氏によれば、ロシア当局は親たちに「考える時間は1時間だ。もしウクライナ軍が先に着いたら、アメリカの傭兵を連れてきて、子供たちを殴ったりレイプしたりする」と伝えてきたという。
子供たちの証言
今回、ウクライナに戻っていた10代の子供は、次のように証言している。
「全寮制の学校に連れて行くから、そこに座ってすべてを理解しなさいと言われました。ある女の子は、背中を殴られ、棒が当たった背中には大きな痣ができました。ホールに座っていた時、そこで誰かが “ウクライナに栄光あれ!”と叫びました。彼らは連行されました。でも、どうなったかはわかりません」
また子供たちは、クリミアで強制的にロシア国歌を歌わされ、新年にはプーチン大統領の演説も見せられたという。そしていまだに、収容所での体験を話す気になれない子供もいるそうだ。
ロシア軍の侵攻以来、1万6000人以上のウクライナの若者が連れ去られたと言われ、国際刑事裁判所は、ロシア当局が子どもたちを「再教育」しようとし、罰として暴力を振るうと脅していることを非難している。(了)
出典元:METRO:Ukrainian children ‘taken by Russia’ finally hug families after returning from ‘camps’(3/24)