Switch news

知っておきたい世界のニュース

「助けて下さい!」ウクライナで戦うロシア兵が、プーチン大統領に懇願【動画】

「助けて下さい!」ウクライナで戦うロシア兵が、プーチン大統領に懇願【動画】
YouTube/Guardian News

ウクライナで戦うロシア兵らが、プーチン大統領に、現在の悲惨な状況を訴える動画が公開されている。

 

上官が撤退を許さず、処刑部隊を配置

 

そのロシア兵とは、国防省傘下の突撃部隊「ストーム」の一員だとされている。

 

彼らは最近、部隊に大きな損害を被り、撤退を決断したが、軍の本部に連絡すると上官がそれを許さず、逆に彼らの背後に「バリアー部隊」を配置し、前線に留まるよう命じたという。

 

この「バリアー部隊」というのは、味方の撤退を阻止するための部隊とみられ、前線にいる兵士の後方に配置され、逃げるものを処刑する役割を果たしていると考えられている。

 

「上官らが私たちを処刑しようとしている」

 

最近、テレグラムに投稿された動画には、「ストーム部隊」のメンバーがこのような状況をプーチン大統領に訴える内容となっている。兵士の1人であるアレクサンダー・ゴーリン氏は、次のように動画で訴えた。

 

「私たちは14日間、迫撃砲と大砲の攻撃を受けていました。私たちは大きな犠牲を払いました。34人が負傷し、指揮官を含む22人が死亡しました。彼ら(上官たち)は私たちの背後にバリアー部隊を配置し、私たちにその場を離れさせませんでした。彼らは私たちを一人ずつ、そして部隊ごと破壊すると脅しています。彼らは(略)私たちを処刑しようとしているのです」

 

また動画において、セルゲイ・モルダノフと名乗るロシア兵も「我々の指揮官(上官)らは犯罪組織だ。他に言いようがない」と述べたという。

 

作戦開始時には161名で構成

 

「ストーム部隊」は、ロシア軍がウクライナ東部で展開する冬期攻勢に参加するため、国防省が1月に設立した部隊とされ、動画に映っている彼らの部隊も、作戦開始時には161名で構成されていたという。

 

しかし動画には20数名しか映っておらず、彼らの訴えの通り、多くの兵士が死亡したと考えられている。

 

Guardian紙は、ビデオに映っている8人の男性を確認。そのうち3人が実際に「ストーム部隊」のメンバーであることが明らかになったそうだ。

 

今年の1月から、ロシア兵がプーチン大統領に直接訴える動画が複数投稿されており、戦況が思わしくないことが示唆されていた。

 

 

昨年11月、イギリス国防省は、ロシア軍はバリアー部隊または「阻止部隊」の配備を開始したとの見方を示し、「脱走兵を射殺するという戦術は、ロシア軍の質の低さ、士気の低さ、規律のなさを証明するものだろう」と声明で述べたという。

 

ただ「ストーム部隊」のメンバーは、大部分が2014年にウクライナ東部での戦闘に参加した、ロシア軍の退役軍人で構成されているそうだ。(了)

 

出典元:The Guardian:Russian soldiers say commanders used ‘barrier troops’ to stop them retreating(3/27)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top