ロシア軍がザポリージャ原発付近の住民に対し、避難を指示
ウクライナ南部のザポリージャ州の一部地域に住む住民に対し、ロシア軍は避難するよう指示した。
原発近くの町の住民に避難指示
ロシア側は、予想されるウクライナ軍の反転攻勢に先立ち、ザポリージャ原発近くの町、エネルホダール(Enerhodar)を含む州内の18の集落を離れるよう、住民に指示したという。
ロシア政府に任命されたこの地域の責任者であるエフゲニー・バリツキー氏も4月5日、テレグラムに次のように書き込んでいた。
「ここ数日、敵は前線に近い集落への砲撃を強めている。そのため、まず子供や両親、高齢者、障害者、入院患者を避難させることを決定した」
ザポリージャ―州の都市、メリトポリのウクライナ側の市長であるIvan Fedorov氏は、今回の住民の避難に関して、数千台の車が立ち去るのに5時間待ち(の渋滞)が発生したと述べている。
ザポリージャ州南部の町に避難
ウクライナ参謀本部が7日に発表した内容によると、これらの住民たちはザポリージャ州南部の町、Prymorskや港湾都市のBerdyanskなどに避難したという。
ただメリトポリのFedorov市長は、避難先の商店では商品や医薬品が底をつき、ウクライナ軍がこの地域を攻撃した場合、電気と水の供給が停止する恐れがあるため、病院は患者を退院させ、通りに放出していると述べている。
またFedorov市長は、避難車列の3分の2は、撤退するロシア軍で構成されていると述べた。ただしこれらの情報の信憑性については、BBCも確認が取れていない。
原発周辺で戦闘の可能性
国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は、BBCの番組「Newshour」において、原発周辺の住民の避難は、その周辺でロシア軍とウクライナ軍が激しい戦闘を行う可能性を示している、と語った。
また原発の原子炉は現在、電気を生産していないが、まだ核物質が装填されている、と述べたという。(了)
出典元:BBC:Ukraine war: ‘Mad panic’ as Russia evacuates town near Zaporizhzhia plant(5/7)