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ウクライナ軍に多くの犠牲者、進軍の速度は遅い、西側も認める

ウクライナ軍に多くの犠牲者、進軍の速度は遅い、西側も認める
Russian Defence Ministry

ロシア軍に対し、反転攻勢をかけているウクライナ軍に多くの犠牲者が出ていると報じられている。

 

ザポリージャ州で多数の車両を破壊

 

ウクライナのザポリージャ州にあるMala Tokmachka村の南約4kmの地点で先日、ウクライナ軍の車両などが、ロシア軍の攻撃により多く破壊された。

 

この攻撃は6月7日に行われ、ネットにもドイツ製の戦車「レオパルト」や歩兵戦闘車「ブラッドレー」などが破壊された写真が投稿された。

 

この時、ウクライナ軍は装甲車20台と地雷除去用の特殊車両2台を使い、高台にあるロシア軍の陣地を突破する作戦を行ったそうだ。

 

2回に分けて攻撃が行われる

 

ウクライナの戦闘状況を追跡する「Deepstatemap」の分析によると、この時ウクライナ軍は2回に分けて攻撃を試み、1回目は9台、2回目は11台の車両(戦車や装甲車)が使われたという。

 

最初のグループは地雷に遭遇し、ロシア軍がそれを察知。この結果、第1のグループはロシア軍の攻撃に曝され、身動きができなくなったそうだ。

 

このため第2グループの4両の「ブラッドレー」が、第1グループを救出するために接近。しかしこの第2グループも、ロシアの偵察機によってすぐに発見され、激しい砲撃にさらされたという。

 

ロシア軍側はこれらの攻撃で、「レオパルト」3両を含む戦車30両以上、兵員輸送車10台以上を破壊したと主張。

 

一方、ウクライナ側の説明によると、ロシアの攻撃により、「レオパルト」戦車1両と装甲兵員輸送車4両が失われたという。また2台目の「レオパルト」を含む他の車両も損傷したらしく、その後放棄されたとも言われている。

 

Twitter/vita ya Ukraine

地雷原を装甲車で一列になって進む

 

Mala Tokmachka村での戦闘について、セント・アンドリュース大学の戦略研究教授であるフィリップス・P・オブライエン氏は、自身のSubstackアカウントで次のように述べている。

 

「この作戦に、時間がかかることは明らかだ。ウクライナは、これまで(おそらく)成功したことのないことをやろうとしている。防衛兵器を大量に保有する強固な敵(ロシア軍)に対して、制空権を持たない装甲車を使った大規模な攻勢をかけようとしているのです」

 

西側の関係者(名前は明らかにされていない)も、Mala Tokmachka村でのウクライナ軍の損害を受け、6月14日に次のように指摘している。

 

「ウクライナ軍は、地雷原の中を装甲車で一列になって、ロシアの主要な防衛線に向かうことを余儀なくされている。その防衛線は、場合によっては20kmも離れていることもある。ウクライナの兵器は(敵の)攻撃に対して非常に脆弱になっている」

 

その上で関係者は、ウクライナ軍は大きな犠牲を出しながら、ロシアの主要防衛線に向かっているが、現時点では前進が遅くなっていると認めた。(了)

 

出典元:The Guardian:Ukraine’s failed Mala Tokmachka assault lays bare counteroffensive challenges(6/14)

出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Ukraine taking significant casualties and making slow progress towards Russian defence, say western officials – as it happened(6/14)

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