ロシア軍のスロビキン副総司令官を逮捕か?ワグネルの反乱を事前に知っていた可能性
ウクライナ戦争におけるロシア軍の副総司令官であるセルゲイ・スロビキン将軍が、公の場に姿を現しておらず、現地メディアなどは、逮捕・拘束されたと報じている。
24日以降、公の場に姿を現さず
ニューヨーク・タイムズは6月28日、スロビキン氏がエフゲニー・プリゴジン氏の率いる「ワグネル」の武装反乱を事前に知っていた、と報じた。
またウォール・ストリート・ジャーナル紙も28日、プリゴジン氏の武装反乱の目的は、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相とヴァレリー・ゲラシモフ総司令官を拉致することであった可能性を指摘した。
そしてスロビキン氏は、「ワグネル」がモスクワへの進軍をあきらめた24日以降、公の場に姿を表していないという。
「モスクワ・タイムズ」は28日、「ワグネル」の反乱に関与した可能性があるとして、スロビキン氏が逮捕されたと報じた。ただしロシア国防省は、この件について、まだ正式に発表していない。
A top Russian army general and Commander of the Aerospace Forces, Sergei Surovikin has been arrested after it was reported that he had advance knowledge of Wagner’s mutiny last weekend. pic.twitter.com/SCod9Rv6rE
— Wunderkind (@EngineerNGR) June 28, 2023
2人の関係は良好だった
スロビキン将軍はロシア航空宇宙軍のトップで、「ワグネル」のプリゴジン氏との関係も良好だったと言われている。
スロビキン氏が、2022年にウクライナ戦争における総司令官に任命された際、プリゴジン氏は、彼を「伝説的な人物」「祖国に仕えるために生まれてきた」と評していた。
しかしプリゴジン氏が6月23日に武装反乱を企てると、スロビキン氏は反乱を思いとどまるよう説得し、動画においても次のように述べていた。
「私たちは同じ血が流れており、戦士だ。私は、あなた方にやめるよう強く勧める。敵は、わが国の内政状況がエスカレートするのを待っているだけだ」
Sergei Surovikin, hitherto the most Wagner-friendly general, calls on the group not to obey Prigozhin’s orders.
“The enemy is only waiting for our domestic political situation to get inflamed. Don’t play into the enemy’s hands in this difficult time for the country!” pic.twitter.com/6sYHSl8nRy
— max seddon (@maxseddon) June 23, 2023
しかしアメリカの情報部は、この時スロビキン氏が、「ワグネル」の蜂起を事前に知っていたと主張している。
そしてスロビキン氏が、「ワグネル」の計画を知っていたことが確認されれば、反乱に対する軍の反応が鈍かったことを説明できる、との見方も出ている。
また情報が錯綜し、どのような状況になっているのかは正確にはわからないが、スロビキン氏が反乱を支援した罪で粛清されるか、捜査の対象になるのではないかという噂が広まっている。(了)
出典元:The Guardian:Russian general who may have known about Wagner mutiny goes missing(6/28)
出典元:Moscow Times:Russian General Arrested Following Wagner Mutiny – MT Russian(6/28)