「アサド大統領は退陣しろ!」シリアで激しい反政府デモが勃発
中東・シリアにある政府支配地域で、反政府デモが勃発し、参加者がアサド大統領の罷免を要求しているという。
南部の政府支配地域でデモが発生
その政府支配地域とは、シリア南部の都市、スウェイダとされている。
スウェイダ県は、2011年に民衆蜂起が始まって以来、政府の支配下にあり、シリアの少数民族である「ドルーズ(Druze)」族の多くが住んでいるという。
そして8月28日にスウェイダに集まったデモ隊は、道路を封鎖。中央広場に集まった数百人が、「ドルーズ」族の旗を振りながら、「シリア万歳、バッシャール・アル=アサド(大統領)を倒せ」と唱えていたそうだ。
Protests in Southern Syria Escalate: Demonstrators Demand Removal of President Assad #SyriaProtests #Suwayda #Druze #BasharalAssad #SyriaProtests pic.twitter.com/DraZsy154q
— GeetaPillai (@GeetaaPillai) August 28, 2023
与党の事務所も襲撃
この抗議デモは燃料価格の高騰や腐敗、失政への怒りに端を発したものだが、今ではアサド大統領の退陣を繰り返し求めるなど反政府デモへと急速に変化し、シリア南部全域で着実に拡大しているという。
そしてスウェイダでは、デモ参加者が暫定政府を要求したり、以前シリアの治安組織によって強制的に失踪させられた数千人の解放を求め、看板を掲げたりしたそうだ。
またスウェイダ県東部のメルという町では、デモ参加者らが、与党「バアス(Ba’ath)党」の支部のドアを閉め、溶接したという。
デモ参加者の一人は、2011年に抗議運動が勃発して以来、あらゆる反対意見の封じ込めてきたシリアの大統領に向かって、次のように叫んだとか。
「バッシャール・アル・アサド、私たちは、あなたに立ち去れと言います。私たちにはもはや、あなたはいらない。あなたは(大統領の座から)降りることになるでしょう。2つの選択肢があります。威厳を持って去るか、それとも死ぬ運命になるか、です」
2011年には抗議活動が内戦にまでつながり、ISIS(イスラム国)の台頭もあり、反政府地域に住む人々も、数多くが犠牲になったという。
今回のデモも、経済的な不満より、政治的な変化を求めるものだと考えられている。(了)
出典元:The Guardian:Syrian protests enter second week with calls for Assad to go(2/28)