パリで電動キックボードのレンタルを禁止、その背景とは?
フランスの首都パリでは9月1日から、レンタルの電動キックボードの使用が禁止された。
90%が「禁止」に賛成
パリでは5年前に、電動キックボードのレンタルを開始したが、その後死傷者が増えたため、今回禁止することになった。
禁止に関しては4月に投票が行われ、90%が「禁止」に賛成。しかし実際に投票したのは、パリの有権者の8%に満たなかったという。
しかしこれによりパリは、電動キックボードのレンタルを禁止した初めての首都になったそうだ。
ただ、個人所有の電動キックボードなどの利用は制限されていない。
死傷者の増加やマナー問題、投票行動
フランスの警察によると、2021年から2022年にかけて、電動キックボードや電動スケートボードなどが関係する衝突事故の件数は、3分の1近く増えて516件となり、3人が死亡したという。
また利用者が歩行者の間を電動キックボードで走り抜けたり、歩道や交差点に乗り捨てたりする行為も問題になっていたそうだ。
電動キックボードのレンタルを開始したのは、現・パリ市長のアンヌ・イダルゴ氏。
しかし今年の初め、電動キックボードの禁止について、「有権者に決めてもらう」として住民投票を実施すると宣言。「結果については、住民の判断に従う」と述べたという。
そして4月に投票が行われたが、パリの有権者の14人に1人しか投票所へ行かなかったそうだ。
投票所には、電動キックボードを嫌う高齢者たちが大挙して押し寄せ、実際に電動キックボードを利用する多くの若い人々は、家に留まり投票所へ行かない傾向が強かったという。(了)
出典元:BBC:Paris says au revoir to rental e-scooters(9/1)
出典元:CNN:パリのレンタル電動キックボード、住民の90%が禁止を支持(4/4)