Defense POW/MIA Accounting Agency

第2次世界大戦に参加し、死亡したアメリカ軍パイロットの身元が、79年ぶりに明らかになった。

爆撃機の護衛任務中に行方不明

そのパイロットとは、ノースカロライナ州出身のフレッド・L・ブリュワー・ジュニア少尉だ。

彼は1944年10月下旬、イタリアのラミテッリ飛行場から、単座の戦闘機「P-51Cマスタング」に乗り、離陸したという。

当時、ブリュワー・ジュニア少尉は、ドイツのレーゲンスブルクの敵目標上空で、味方の56機の戦闘機と共に、爆撃機の護衛任務に就いていたそうだ。

しかし結局、どの爆撃機も目標の位置を特定できず、そのまま帰還。最終的に47機の戦闘機が基地に帰還したが、その中にはブリュワー・ジュニア少尉の機体はなかったという。

戦後の技術では身元を確認できず

当時、この作戦に加わった他のパイロットからの報告によると、ブリュワー・ジュニア少尉は雲に覆われた中で、機体を上昇させようとしていたが、失速してスピンしてしまったという。

また彼が飛行機から脱出するところも目撃されておらず、その後行方不明者として報告され、最終的に死亡が確認されたそうだ。

戦後、イタリアの民間墓地から米軍兵士によって1体の遺体が発見されたが、当時の技術では身元を確認できず、不明者として埋葬されたという。

2022年に遺骨がアメリカに送られる

ところが2011年、この事件を調査していた研究者たちは、イタリア警察の報告書から、遺骨がブリュワー・ジュニア少尉の失踪と同じ日に、墜落した戦闘機から回収されたことを知らされたという。

そして2022年6月、遺骨はさらなる調査のためアメリカ国防総省の捕虜・行方不明者調査局の研究所に送られ、先月ブリュワー少尉の身元が確認されたそうだ

ブリュワー・ジュニア少尉は、南部で最初の黒人高等教育機関である、ショー大学を卒業。

1943年11月には軍に入隊し、1944年3月にはアラバマ州のタスキーギ陸軍飛行場で訓練を終え、1944年7月にパイロットとして海外に出発したという。

そして彼は第332戦闘機群・第100戦闘機中隊のパイロットとして、ヨーロッパ戦線で戦ったそうだ。（了）

出典元：ABC News：Remains of Tuskegee pilot who went missing during World War II identified after 79 years(9/5)