小島嶼国が国際海洋法裁判所に提訴、温室効果ガスの排出を「汚染」と認めるよう求める
ドイツの裁判所において、温室効果ガスの排出量を規制するよう求める裁判が開かれ、ヒアリングが行われることになった。
温室効果ガスの排出を汚染とみなすか?
ドイツのハンブルクにある国際海洋法裁判所(Itlos)では9月11日に、海洋保護を目的とした裁判が開かれる予定となっている。
この裁判を起こしたのは、バハマやツバル、バヌアツ、アンティグア・バーブーダなどの小島嶼国だ。
これらの国々は気候変動の影響をすでに受けているとされ、今回国際海洋法裁判所に対し、温室効果ガスの排出量の規制を訴えたという。
このため2日間の審理において、海が吸収する温室効果ガスの排出を、汚染とみなすべきかどうかが話し合われるそうだ。
「国連海洋法条約」に従う義務
そもそもほとんどの国は、法的拘束力のある「国連海洋法条約」に基づき、海洋汚染を防止、削減、制御するための措置を講じる義務を負っている。
また海は、世界で排出される二酸化炭素の25%を吸収しており、排出によって生じる熱の90%も受け止め、世界の酸素の半分を生産しているという。
このため、「小島嶼国委員会(気候変動と国際法)」が提訴した今回の裁判において、温室効果ガスの排出が汚染とみなされれば、それぞれの国に二酸化炭素排出量の削減の義務が課され、すでに二酸化炭素汚染によって損なわれている海洋環境の保護も求められることになる。
また小島嶼国は、この裁判による結果が、パリ協定の約束を守るために必要な排出削減量について、各国に指針を与えることを期待しているそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Small island nations take high-emitting countries to court to protect the ocean(9/10)