イスラエル軍がガザ地区で、民間人の男性らを裸にして拘束・連行していた
先日、SNS上にガザ地区で多くの男性がイスラエル軍により、拘束されている画像や映像が浮上したが、実際に連行された人物がメディアの取材に答えた。
目隠しをさせ、手錠をかけて連行
その人物は、22歳の男性で、12月7日にガザ地区北部でイスラエル軍の兵士により、拘束されたという。
男性はBBCに対し、イスラエル軍により手錠を掛けられ、目隠しをされ、他の数十人の男性らとともに拘束・連行されたとし、次のように語っている。
「イスラエル国防軍は、私たちを道路の真ん中にほぼ3時間座らせることを強制し、その後トラックがやって来て、私たちに手錠をかけ、目隠しをして、見知らぬ場所に連れて行きました」
現場に到着すると男性らは、無作為に選ばれ、ハマスとの関係について尋問されたという。その後、彼と父親、兄、いとこ5人は砂地に連れて行かれ、ほぼ裸のまま放置されたが、夜には毛布を与えられたそうだ。
イスラエル軍は男性の父と、年上のいとこを除く、全員を解放。しかし男性の父親は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)で働いており、なぜ解放しないのか理由はわからないという。
Footage circulated by Israeli media shows Israel’s military kidnapping Palestinians from Gaza and stripping them naked. pic.twitter.com/1oQn2g1qBj
— Quds News Network (@QudsNen) December 7, 2023
安保理決議案で米が拒否権
一方、国連安全保障理事会では12月8日、ガザ地区での「即時停戦」を求める決議案の採決が行われた。
この決議案は、国連のグテーレス事務総長が、ガザの人道状況が悪化しているとして、初めて国連憲章99条に基づき「人道的停戦」を要請して、提出されたもの。
しかしアメリカが拒否権を行使し、決議案の採択は否決された。日本やフランス、中国などは賛成し、イギリスは棄権した。
採決に先立ち、アメリカのロバート・A・ウッド国連大使は、ガザ地区の即時停戦を支持していないと述べ、「次の戦争の種を蒔くだけだ」と主張。「ハマスは引き続きイスラエルに脅威を与えている」とし、「もしイスラエルが今日一方的に武器を放棄すれば、ハマスは引き続き人質を取り続けるだろう」と述べたという。
一方、パレスチナ自治政府のリヤド・マンスール国連大使も採決に先立ち、安保理で演説し、イスラエルの目的がガザ地区の「民族浄化」であると述べ、即時停戦を求めた。マンスール国連大使は次のように訴えた。
「もし誰かがパレスチナ人の破壊と強制退去に反対していると言うなら、即時停戦に賛成しなければならない。停戦の呼びかけを拒否するということは、戦争犯罪、人道に対する罪、大量虐殺を終わらせることができる唯一の呼びかけを拒否することになる」
結局、「即時停戦」の採択はアメリカの拒否権で否決されたが、バイデン政権は議会に対し、イスラエルの戦車「メルカバ」用の砲弾、4万5000発の売却を承認するよう求めている。(了)
出典元:The Guardian:Israel-Gaza war live: US and Israel reject immediate ceasefire as Palestinian envoy says Israel ‘conducting war through atrocities’(12/8)