【動画】まるでエイリアン!水深3300メートルで撮影された幻のイカ
今まで12件ほどしか目撃された記録がない、貴重なイカの姿がカメラに収められた。
トンガ海溝で撮影
南太平洋・トンガ諸島の東にあるトンガ海溝は、マリアナ海溝に次いで2番目に深いホライゾン海淵のある海溝だ。2024年7月から10月まで、Minderoo-UWA Deep-Sea Research CentreとInkfish の共同で、トンガ海溝の調査が行われている。
水深3300メートル地点にカメラを設置したところ、まるでエイリアンのような影が近づいてくるのが撮影された。その映像がこちらだ。
Rare 𝘔𝘢𝘨𝘯𝘢𝘱𝘪𝘯𝘯𝘢 sighting 🦑
While exploring Tonga Trench this month at 3,300m we captured footage of the elusive 𝘔𝘢𝘨𝘯𝘢𝘱𝘪𝘯𝘯𝘢 squid. Our gift to you for #Squidtember!@Hadalbloke @uwanews @InkfishExplore pic.twitter.com/Tx9l9oJfFk
— Deep Sea Research Centre (@deepseauwa) September 19, 2024
謎に包まれた「大きなヒレ」
撮影された奇妙な生物は、ミズヒキイカ(Magnapinna Bigfin squid)だ。今までに12件ほどしか目撃記録がない貴重なイカである上に、トンガ海溝で目撃されたのは今回が初めてとなる。
ミズヒキイカは長い触手が特徴で、その長さは最大で8メートルにもなるという。超深海帯と呼ばれる水深6000~1万1000メートルに生息する唯一のイカであり、目撃されることは非常に少なく、生態は謎に包まれている。
このイカをBigfin Squidと紹介している英語の記事もあるが、Bigfin Squidと検索すると、日本でも食材として知られているアオリイカが出てくる。MagnapinnaもBigfinもどちらも「大きなヒレ」を意味しているが、アオリイカは目が膜で覆われている閉眼目ヤリイカ科アオリイカ属、ミズヒキイカは目が膜で覆われていない開眼目ミズヒキイカ科ミズヒキイカ属に分類されるので、それほど近い種類ではない。
参考:IFLSCIENCE「Incredibly Rare Footage Of Bigfin Squid 3,300 Meters Deep In The Pacific」(9/20)