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世界で最も深い場所に沈んだ米軍艦、フィリピン沖で発見【動画】

世界で最も深い場所に沈んだ米軍艦、フィリピン沖で発見【動画】
Twitter/Victor Vescovo

第2次世界大戦で、日本軍によって沈められたアメリカ海軍の船が、フィリピン沖で発見された。

 

サマール沖海戦で沈没

 

その船とは、護衛駆逐艦の「サミュエル・B・ロバーツ(サミーB)」だ。

 

この船は1944年10月にフィリピンのサマール沖海戦で沈没したという。

 

しかし今年6月22日、探査が行われ、水深6895m地点に沈んでいる「サミュエル・B・ロバーツ」の船体が確認されたそうだ。

 

そしてこれまで確認された中で、最も深い位置にある沈没船であることが明らかとなった。

 

Twitter/U.S. Navy

船尾には被弾の跡も残っていた

 

この探査を行ったのは、テキサス州出身の金融家であり、冒険家でもあるビクター・ベスコボ氏だ。

 

彼は所有している深海潜水艇「Limiting Factor」を使い、沈没したとされる場所を調査。その結果、「サミュエル・B・ロバーツ」の船体の映像を撮影することに成功した。

 

その映像では、船体構造や砲門、魚雷発射管を確認することができ、船尾の4分の1には大規模な日本軍の砲撃による被弾の跡が残っていたという。

 

また激しく傷ついた船体の様子から、この船が船首から海底に着床したと考えられている。

 

224人の乗組員のうち89人が死亡

 

「サミュエル・B・ロバーツ」は、日本軍との戦いにおいて劣勢に立たされながらも、沈没する前に、数隻の敵艦を何とか封じ込め、日本軍の試みを挫折させたという。

 

224人の乗組員のうち、89人が死亡。生存者120人は、救命いかだの上で50時間、救助を待ち続けたそうだ。ベスコボ氏は、次のように述べている。

 

「サミーBは日本の重巡洋艦と至近距離で交戦し、あまりに速く砲撃を行ったために弾薬を使い果たし、今度は日本艦に火をつけるために発煙弾と照明弾を撃つまでになり、その後も撃ち続けました。それはまさに、並外れた英雄的行為でした。両陣営とも、死力を尽くして戦っていたのです」

 

レイテ沖海戦の一部であるサマール沖海戦は、熾烈な交戦となり、最終的に日本海軍は大きく混乱し、軍を撤退させたという。

 

またベスコボ氏は昨年、水深6469メートルの地点に沈んでいた米駆逐艦「ジョンストン」も発見している。(了)

 

出典元:BBC:USS Samuel B Roberts: World’s deepest shipwreck discovered(6/25)

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