孤独なマンボウのために、ボール紙で観客を作った日本の水族館が、海外でも話題に
現在、リニューアルのため閉館している下関市『市立しものせき水族館「海響館」』。そこで人気のあったマンボウが、なぜか体調不良になってしまったので、スタッフが一計を案じた。日本では大きな話題にならなかったが、BBCやCNNといった世界的なメディアが、ニュースとして取り上げた。
2024年12月から閉館
しものせき水族館「海響館(かいきょうかん)」は、昨年12月から、リニューアルのため閉館している。もちろん入館者はいなくなり、飼われているマンボウを見に来る人もいなくなった。すると、マンボウの様子に異変が現れたという。エサのクラゲを食べなくなり、体を水槽のガラスに擦り付けるようになったそうだ。
当初は消化器系に問題があるか、寄生虫がついたのだろうと思われたが、結局はどちらでもなかったらしい。では何が原因だったのか? 「海響館」はXに次のように書き込んでいる。
実は、、休館直後に少し体調を崩していました。原因が分からず様々な対応をしていましたが、あるスタッフから「来館者が居なくなって寂しいのでは?」との意見が。「そんなわけない!」と99%思っていましたが、一縷の望みをかけてスタッフの制服を貼り付けてみました。
すると…翌日には調子が改善!
スタッフは厚紙で人型を作り、それに服を着せた「フェイクの観客」を水槽の前に立てた。すると体調が戻り、「最近は、水槽の正面に来て、(フェイクの客に向けて)ヒレを振っている」とのこと。
\\休館中のマンボウの様子をお届けします!!!//
マンボウの様子が気になる方も多いのではないでしょうか。
実は・・・!?
(コメントに続く) pic.twitter.com/SXEtgk304M— しものせき水族館「海響館」公式 (@shimonoseki_aq) January 3, 2025
「バカバカしいジョークのようだが…」
この件を取り上げたCNNは、マンボウが淋しがる、ということが信じられなかったようだ。冒頭で次のように書いている。
孤独な魚をどうやって元気づける? バカバカしいジョークを言う前置きのように聞こえるが、病んだマンボウを見た日本の水族館のスタッフにとって、これは切実な問題だった。
また、イギリスのBBCは、スタッフが考えた策の奇抜さに驚いたらしく、「社交的なマンボウが……型破りな方法で癒された」と伝えている。
しものせき水族館「海響館」は、今年の夏にオープンする予定。(了)
出典元:CNN:Japanese aquarium cheers up lonely sunfish with cardboard cutouts of people(1/20)
出典元:BBC:Lonely sunfish in Japan gets cardboard human friends(1/20)
出典元:NDTV:Japanese Aquarium Puts Cutouts Of People To Comfort Lonely Sunfish(1/22)