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大気汚染が、人間の行動や感情にも影響を及ぼす可能性【英研究】

大気汚染が、人間の行動や感情にも影響を及ぼす可能性【英研究】
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大気汚染が人間の行動や感情に、どのような影響を及ぼすか、を調べる研究が行われ、意外な結果が明らかにされた。

 

曝露後に認知テストのデータを解析

 

この研究を行ったのは、イギリスのバーミンガム大学や、マンチェスター大学の研究者たちだ。

 

研究者らは26人の参加者の協力を仰ぎ、彼らを1時間、清浄な空気と、ろうそくの煙を使った高濃度の粒子状物質(PM:Particulate Matter)に曝したという。

 

そして、参加者がそれぞれに曝される前後の、認知テストのデータを解析。その結果、高濃度のPMに短時間曝されただけでも、参加者の選択的注意と感情認識に影響が及ぶことがわかったそうだ。

 

作業に集中できず、注意散漫になる可能性

 

選択的注意に影響が及ぶと、作業に集中したり、気を散らすものを避けたり、社会的に適切な行動をとったりする能力に影響を及ぼす可能性があるという。

 

今回の研究論文の共著者であるバーミンガム大学のトーマス・ファハティ博士は、次のように説明している。

 

「つまり、日常生活では、物事に気を取られやすくなる可能性があるということです。スーパーマーケットでの買い物が良い例です。スーパーマーケットの通路を歩いている時に、目標に集中できないため、衝動買いに走りやすい可能性があります」

 

また今回の研究では、参加者がPMの汚染にさらされた後、感情認識を評価する認知テストの成績が悪化したことも明らかになった。

 

ファハティ博士によれば、参加者は、人間の表情を読み取り、相手が恐れているのか、幸せなのかを認識する能力が低下したという。つまり、このことは人が他人と、どのように行動するか、に影響する可能性があるそうだ。

 

実は、アメリカの都市では、すでに短期的な大気汚染と、暴力犯罪などの関連を調べた研究も行われているという。

 

ただ今回の研究では、参加者の記憶が影響を受けなかったとされ、一部の脳機能は他の機能よりも短期的な汚染への曝露に対して、耐性があることが示されたそうだ。(了)

 

出典元:The Guardian:Air pollution reduces people’s ability to focus on everyday tasks, study finds(2/6)

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