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「ハマス」が支援物資の略奪・横流しをしていた証拠は見つからず:USAID

「ハマス」が支援物資の略奪・横流しをしていた証拠は見つからず:USAID
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アメリカの国際開発庁「USAID」は、ガザ地区で「ハマス」が人道支援物資を略奪していた証拠が見つからなかったと報告した。

 

150件以上の事件を調査

 

イスラエル政府は、国連などの人道支援物資を「ハマス」が盗み、戦闘能力を維持していると非難し、ガザ地区を封鎖して、必要最小限の支援物資しか搬入させない措置をとった。

 

この結果、ガザ地区では食糧や医薬品などが不足し、現在、数多くの子供たちが飢えに苦しみ、次々と死んでいる。

 

またアメリカのトランプ政権も。この主張を受け入れ、「ガザ人道財団(GHF)」を設立。イスラエル兵の協力を得ながら、5月27日から、ガザ地区の支援物資分配システムの大部分を引き継いだ。

 

しかし「ガザ人道財団(GHF)」の配給所付近では、イスラエル兵が次々と、食糧を求めるパレスチナ人に発砲。これまでに、1000人以上が殺されたと言われている。

 

ところが「USAID」の分析によれば、アメリカの資金による人道支援物資の盗難または紛失に関する150件以上の事件を調査した結果、「ハマス」が支援物資の略奪や広範な横流しに関与した証拠は見つからなかったという。

 

2023年10月から今年5月まで調査

 

「USAID」は、2023年10月から今年5月までに報告された、人道支援物資の不正使用や横領、略奪などの疑いのある事例を分析したそうだ。

 

「USAID」はトランプ政権によって解体され、国務省に吸収されることになり、7月1日には正式に独立した活動を停止したが、この報告書はその前に、取りまとめられたという。

 

その分析の結果、支援物資の盗難または紛失が報告された156件の事件のうち少なくとも44件は、「直接的または間接的に」イスラエル軍の行動によるものだったことが判明した。

 

また「ハマス」側も当初から、ガザ地区での人道支援物資の略奪や横流しなどを否定してきた。

 

イスラエルや米政府は反発

 

「USAID」の報告書に対して、イスラエル側は反発。「ハマスが戦闘能力を維持するために、人道支援を利用しているという明白な証拠を無視している」と批判した。

 

またアメリカ国務省の報道官も、「USAID」の報告書を非難し、「ハマスによる略奪行為を示す証拠映像は無数に存在する。支援団体のメンバーも略奪行為の存在を認めており、支援物資が『自主分配』されていると報告している」と述べた。

 

ただ国務省の報道官は、その証拠映像などを示しておらず、またガザ地区では、飢えた住民がトラックに積まれた支援物資を略奪するケースがあるとも言われている。

 

またトランプ政権も、これまで「ハマス」が広範囲にわたる支援物資の転用を行っているという証拠を一切示していない。

 

ガザ地区では63人が死亡

 

イスラエル軍は7月27日から、ガザ地区北部のガザ市や中部のDeir el-Balah、南部のアル・マワシ地区において戦闘を一時的に停止すると発表した。

 

この措置は人道目的とされ、現地時間の午前10時から午後8時まで戦闘が停止されるという。

 

にもかかわらず27日の早朝には、ガザ地区各地でイスラエル軍が攻撃を続け、少なくとも63人のパレスチナ人が殺害された。

 

このうち34人が配給所付近で支援物資を求めていた人々とされ、また新たに6人が餓死したと報告されている。(了)

 

出典元:ABC News:USAID analysis finds no evidence of widespread aid diversion by Hamas in Gaza(7/27)

出典元:Aljazeera:LIVE: 63 killed in Gaza as Israel’s ‘tactical pause’ comes to and end(7/27)

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