イスラエル軍によるガザ市への攻撃で人質の命が危険、「ハマス」が警告

ガザ地区のイスラム組織「ハマス」は9月28日、イスラエル軍の攻撃により、人質の命が危険にさらされていると警告した。
イスラエルに攻撃を停止するよう警告
「ハマス」の武装部門、カッサム旅団は28日、過去48時間にわたるガザ市のサブラ地区とタル・アル・ハワ地区におけるイスラエル軍の攻撃の後、人質のオムリ・ミラン氏とマタン・アングレスト氏を拘束している戦闘員との連絡が途絶えたと発表した。
また「2人の人質の命は真に危険にさらされており、イスラエル軍は直ちに8号線(道路のことか?)の南へ撤退し、本日午後6時から24時間、2人の救出が試みられるまで、空からの攻撃を停止しなければならない」と訴えた。
イスラエル側は、現在も48人の人質のうち20人が生存しているとみており、家族は政府に対して、これまでも戦闘終結と全ての人質の帰還に向けた停戦合意を求めて訴え、抗議活動を行ってきた。
しかしイスラエルのネタニヤフ政権は、その訴えを無視し、戦闘停止と停戦合意を避け続けてきた。
21項目に及ぶ停戦案とは?
また「ハマス」の政治部門は9月28日、声明を発表し、アメリカのトランプ大統領が「停戦が近い」と発言しているにも関わらず、仲介役であるカタールとエジプトから新たな停戦提案や和平提案を受けとっていないと明らかにした。
「ハマス」の政治部門は、9月9日にカタールのドーハに集まった交渉団が、イスラエルの空爆を受けて以来、交渉が依然として中断していると主張。しかし同時に「同胞である仲介者からのいかなる提案も、国民の権利を守る形で、前向きかつ責任を持って検討する用意がある」と述べた。
トランプ大統領とアラブ諸国、及びイスラム指導者らは、ガザ地区における21項目に及ぶ停戦計画を提案しているが、その全体像はまだ明らかになっていない。
ただこの計画では、ガザ地区に拘束されている人質48人全員の即時解放と引き換えに、人道支援の受け入れ、戦線の凍結、そしてイスラエルの刑務所に収監されているパレスチナ人の釈放を求めているという。
また、この計画では「ハマス」の武装解除、暴力を放棄した戦闘員への恩赦が含まれている。そして重要なのは、いかなるパレスチナ人も強制的にガザ地区から追い出されることはないという点だ。ガザ地区に「自発的に」残った者は、自宅への帰還が認められるという。
さらにこの計画の策定に携わったイギリスの元首相であるトニー・ブレア氏が、「ハマス」追放後のガザ地区において、事実上の総督となることが想定されている。
ただイスラエルの極右閣僚らは9月28日、トランプ大統領が提示した21項目の計画をはじめ、「ハマス」を排除する前に戦闘を終結させるような、いかなる合意にも反対するとし、パレスチナの国家樹立を認めないと述べた。
乳児が栄養失調で死亡
一方、ガザ地区では9月28日もイスラエル軍の攻撃が続けられ、数十人のパレスチナ人が空爆や砲撃、あるいは支援物資を求めた際に殺害されたという。
犠牲者の中には、北部のガザ市にあるサブラ地区で、イスラエル軍の空爆を受けて死亡した1人の子供も含まれているそうだ。
ガザ地区南部のハンユニス市にあるナセル病院は28日、栄養失調と不十分な医療により乳児が死亡したと報告している。(了)
出典元:Aljazeera:Hamas tells Israel to cease Gaza City attacks as captives’ lives in danger(9/28)
出典元:Aljazeera:Why is the divisive Tony Blair now touted for post-Gaza war interim role?(9/28)