インフルエンザの変異株が出現、英でも患者の増加に備える

インフルエンザ・ウイルスの変異株が発見され、イギリスでも10年に1度の大流行に備えているという。
オーストラリアで流行したウイルスの子孫
このウイルスの変異株は今年の6月、初めて科学者によって発見され、遺伝子解析の結果、今年オーストラリアで記録的なインフルエンザの流行を引き起こした株の子孫であることが判明したという。
オーストラリアでは40万人以上の検査確定症例が記録され、ワクチン接種率の低さも問題を悪化させたそうだ。
この変異ウイルスは、イギリスでも急速に優勢な株となり、例年より1カ月以上も早いインフルエンザの流行を引き起こしている。
高齢者が重症化する傾向
このウイルスはH3N2と呼ばれるインフルエンザの亜型(subclade Kか?)で、他の亜型よりも重症化する傾向があり、特に高齢者にはその傾向が顕著にみられるという。
また今回の変異ウイルスは感染力を高める可能性があり、通常のシーズンでは、感染者1人がウイルスを感染させるR値は約1.1~1.2だが、今シーズンは1.4と推定されているそうだ。
つまり、これは100人の感染者から、1.4倍の140人が感染するという意味となる。
現在のワクチンの効果は?
MRCグラスゴー大学ウイルス研究センターの感染症教授、アントニア・ホー氏によれば、ワクチン接種者が少ないため、インフルエンザのシーズンが早く始まると、ピークも大きくなる傾向があるという。
またイギリス保健安全保障庁(UKHSA)の初期データでは、現在のワクチンは変異したインフルエンザ・ウイルスによる感染を阻止する効果は低下しているものの、重症化に対する予防効果は依然として高いことが示唆されているそうだ。
そのため高齢者を含め、接種資格のある全ての人がインフルエンザ・ワクチンを接種し、この冬を健康に過ごすための予防策を講じることが、これまで以上に重要になっているという。(了)
出典元:The Guardian:UK hospitals bracing for once-in-a-decade flu surge this winter(11/14)

























