チンパンジーの群れで「内戦」が勃発、人間的な現象を初めて確認

今週発表された研究論文において、チンパンジーの群れの中で「内戦」が起きていることが、初めて報告された。
7頭のオスと17頭の子供を殺害
科学誌「サイエンス」に掲載された新たな研究論文で、霊長類学者のアーロン・サンデル氏ら科学者は、野生のチンパンジーにおける史上初の「内戦」と思われる事例を紹介した。
その群れは、ウガンダのキバレ国立公園に生息している「Ngogo・チンパンジー」のグループとされ、1995年から2015年までは社会的に結束していたという。
しかしその後、集団の力学に何らかの変化が生じ、2018年までに「西チンパンジー」と「中央チンパンジー」という2つの明確な集団に分裂した。
そして西側のグループは7年間で、中央グループに対し、組織的かつ継続的な攻撃を24回仕掛け、少なくとも7頭の成体のオスと17頭の子供を殺害したという。
そもそもチンパンジーが部外者に対して激しい攻撃を仕掛けることは以前から知られていたが、かつて結束の強かった群れが、内部で争いを始めるというのは、これまでなかったそうだ。サンデル氏は、次のように語っている。
「隣人同士が殺し合うようなケースはより深刻で、ある意味では人間の本質に近いと言えるでしょう。(略)人間の内戦に見られるような、集団のアイデンティティや力学が変化する様相は、他の動物では滅多に見られませんが、チンパンジーには同様の現象が見られます」
社会階層の変化により分裂した可能性
研究者たちは、世界最大の野生チンパンジーの群れにおける分裂を解明するため、30年以上にわたる行動観察に基づき、この集団の行動を分析してきたという。
「Ngogo・チンパンジー」の場合、社会階層の変化により、グループが分裂した可能性があり、それが組織的な攻撃と暴力を引き起こしたと研究者たちは考えている。
そしてこの社会構造は、分裂が起きる数年前、数頭の高齢チンパンジーが死亡したことによっても、影響を受けていた可能性があるという。
サンデル氏は「(高齢チンパンジーたちの)突然の死は、おそらく近隣集団間のつながりを弱め、それがグループを支配するアルファ・オスの交代時に起こったこの分裂に対して、集団を脆弱にしたのでしょう」と述べている。
さらにサンデル氏によれば、2017年には病気の流行があり、それが群れの分裂を必然的なものにしたか、あるいは若干加速させた可能性が高いという。
研究者たちは、1970年代にもタンザニアのGombeに生息するチンパンジーのグループ内で、同様の分裂と内戦が起こった可能性があると考えている。(了)
出典元:The Guardian:Wild chimpanzees recorded waging ‘civil war’ with coordinated attacks between two groups(4/9)


























