NZの企業が実験的に週4日労働を導入、生産性やパフォーマンスも向上
ニュージーランドの企業が実験的に週4日労働を導入し、その結果を発表した。
1日8時間、週に4日の労働
その企業とは不動産運用や信託業務を手がける「Perpetual Guardian」。この会社は今年の3月初旬から、16のオフィスで働く230人の従業員を対象に、8週間に及ぶ試験的な労働時間を設定したという。
この実験はオークランド工科大学や、オークランド大学ビジネススクールと共同で実施されたのだが、その期間従業員らは1日8時間、週に4日だけ働いたそうだ。
しかもその期間は週に5日働いたのと同じお給料が支払われたとされている。
ワークライフバランスなども向上
この結果、実験の最終日には参加した社員のストレスレベルが、45%から38%まで低下。ワークライフバランスの指数は、54%から78%まで飛躍的に向上したという。
またエンパワーメント(自主的に仕事に取組み、パフォーマンスを向上させる)レベルも68%から86%に増加し、会社に対し積極的に関与する度合も以前の68%から88%まで増えたそうだ。
「Perpetual Guardian」のCEOであるAndrew Barnes氏は、CNNの取材に対し、「従業員たちはより生産的になり、SNSや仕事に関係のない行動に費やす時間が少なくなりました」と語っている。
またこの実験に携わったオークランド工科大学のJarrod Harr氏は、この実験の成功について「従業員には、物事を新たにデザインする自由が与えられていました」とコメント。
実際に仕事を邪魔されたくない時は机の上に小さな旗を立てるなど、仕事のやり方に関し、従業員にはさまざまなアイディアも提供されていたという。
スウェーデンでも1日6時間労働の実験
実はこれと似たような実験は、スウェーデンでも行われており、同様の結果がもたらされているという。
スウェーデンでの実験では、イェーテボリにある高齢者施設で働く80人の看護師に1日6時間労働を2年間続けてもらい、通常の8時間労働の看護師と比較したそうだ。
この結果、1日6時間働いた看護師は病気で休む日がより少なく、生産性も向上し、より健康的であることが報告された。ただしこのプロジェクトは、コストが増加して批判を浴びたため、中止になったとか。
オークランド工科大学のHarr氏は、今回の実験が他の職場でも見本になりうるとし、同時に革命的な労働制度になったとしており、今後、業界の幅広い範囲にまで広がっていく可能性があるという。
またCEOのBarnes氏も世界中の他の会社にとって良い例として役立てられると語っており、現在、会社の重役たちに週4日労働を永続させることを推薦しているそうだ。(了)
出典元:euronews:NZ company says four-day work week trial a success(7/19)
出典元:CNN:A New Zealand company tried a four-day work week. It was a ‘resounding success’(7/19)