ドイツのレストラン、ディナータイムに14歳以下の子供の同伴を禁止し物議に
17時以降のディナータイムに14歳以下の子供を連れての利用を禁止する、としたドイツのレストランが物議を醸している。
子供を管理できない親に向けた規則と主張
14歳以下の子供の利用を禁止し物議を醸しているのは、ドイツ北西部ケルンに位置するレストラン「Oma’s Küche」。
“おばあちゃんの台所”を意味するこちらのレストランは、今回の決定が訪れる観光客にとって“平和のオアシス”を提供することになると主張。
レストランのオーナーRudolf Markl氏は、同レストランにおいて親の管理が不届きであった子供がレストランの物品を破壊するといったことが複数回起きていたことも、今回の決定の理由として挙げている。
またMarkl氏はこの規則について、子供を罰するために設けるというよりも、子供を管理することができない親に向けたものである、と説明している。
レストランを巡り二分する世論
一方、この決定に対してはドイツ国内でも意見が二分されることに。
しかしながらソーシャルメディア上に投稿された意見の多くは厳しいものであり、またレストランの規則については訴訟が起こされる可能性があることも指摘されている。
ドイツで反差別に関わる組織に属するBernhard Franke氏は、これについて「(子供により)顧客の邪魔となりうる著しい騒音が発生するという議論は、一定の年齢以下の子供を全面的に禁止するには必ずしも十分ではない」と指摘。
さらにレストランは顧客から訴えられる可能性もある、と警告している。
このような意見が上がる一方で、Markl氏はこの規則については他のレストランからの支持の声も届けられているという。
またMarkl氏いわくレストランは通常満席であり、また子供連れで訪れることのできるレストランは周囲にいくらでもあるとのこと。
そのため、今回の決定によりレストランの営業に陰りが生じることはない、としている。
“子供禁止”を掲げるレストランは他にも
他方で渦中のレストラン以外でも主として大人が集う高級レストランなどでは、常連客からの苦情等によって今回のレストランと類似した規則を掲げる事例が時折報告されている。
昨年11月には、米国フロリダ州タンパのレストランでも“子供禁止”の看板を掲げ、騒動に。
これについてレストランのオーナーTroy Taylor氏は、中庭において子供が関わる危険な事象が発生したためと説明。
「それは基本的には子供の安全のためです。我々の店は狭くローカルな空間であり、我々の管理下で誰か、特に子供が怪我を負うことは見るに堪えられなかったためです」としている。
さらに英国のレストランは、昨年8月に“子供禁止”を掲げたことによりボイコットの憂き目に遭うことに。
しかし、このレストランのオーナーBob Higginson氏は、これについて店の顧客の年齢層が高いことを指摘しつつ、「私は子供が走り回り気を散らせたりすることなく、人々がここに集い古き日々について議論を交わしたり、昔懐かしい会話をしたりすることができることを願っていたんです」と反論している。
ディナータイムに子供連れで訪れることを禁止する、という今回のレストランの決定。子供連れでもマナーが悪い顧客ばかりではないのに、やはり少々厳しい決定のように思われる。(了)
出典:Washington Post:Restaurant bans kids under 14 — to punish their misbehaving parents(8/20)
出典:Fox News:German restaurant issues child ban, blames parents ‘who cannot control’ their kids(8/19)