夫を失ったメスの雁、亡くなった場所で帰らぬオスを3カ月も待ち続ける姿が切ない
パートナーを慕い、亡くなった場所から数カ月も離れずにいるカナダ・ガン(雁)の姿が多くの人に目撃され、話題となっている。
●群れが去っても1羽で残る
その雁とはアメリカ、ジョージア州のアトランタで暮らすメスの「ジュリエット」。
3年の間、ジュリエットとオスの恋人はショッピングセンターの駐車場で、群れの仲間と共に冬を過ごしてきたという。
カナダ・ガンは寒い季節に子育てを行うとされているが、2羽も同じようにヒナを成長させて来たとみられている。
しかし今年の初め、悲劇が起きる。パートナーのオスが車にひかれて、突然死んでしまったそうだ。
その後、群れは他の場所へ移動するため飛び立っていったが、ジュリエットには共に過ごした所から離れることができなかった。
●3カ月間も同じ場所にとどまる
彼女はまるで恋人の死が受け入れられないかのように、パートナーが車でひかれた場所に留まり続けたという。
そして歩道を登ったり下ったりを繰り返しながら、再び同じ場所へ戻ってきては、来る日も来る日も彼を待ち続けたそうだ。
その姿は店で働く人にも目撃されていたが、ショッピングセンターの主人はジュリエットが自分から飛び立っていくことを願い、あえて従業員に水やエサを与えないよう指示していたとされている。
しかしそれでもジュリエットは離れようとはしなかった。そして空腹にも耐え、3カ月間も同じ場所にとどまり続けたという。
そんなジュリエットの姿は、地元に住む人々の涙を誘っていたそうだ。
●動物保護団体が保護し体力も回復
やがて彼女の体力を心配した動物保護団体の「 Atlanta Wild Animal Rescue Effort (AWARE)」は、今月初旬にジュリエットを保護。施設へ連れて行き、健康状態を調べた。
そして数日間施設で過ごした後、ジュリエットの体の調子は良くなり、しっかり食べられるまでに回復したそうだ。
その後、施設のスタッフは同じように傷ついた状態で運ばれてきたオスの雁と、ジュリエットを引き合わすことを計画。今では少しずつ相手に慣れているという。
施設のScott Langeさんはthe dodoの取材に対し「もし2羽がこのまま仲良くし続ければ、最終的には彼らを一緒に放してあげるつもりです」と答えている。
カナダ・ガンは生涯同じ相手と暮らすと言われているそうだが、悲しみを乗り越え、できれば再び友人を作り、新たな愛を育んでもらいたい。(了)
出展元:the dodo:Heartbroken Goose Refused To Leave The Spot Where Her Mate Died(3/27)