「両国の関係と同じ」アメリカとメキシコの国境にピンクのシーソーが設置される
隣り合うアメリカ合衆国とメキシコ合衆国の間に作られた「壁」。国の思惑で造られた建造物は、人々を分断することはできなかったようだ。
国境に設置されたシーソー
鮮やかなピンクのシーソーが取り付けられているのは、メキシコのシウダー・フアレスとテキサス州エルパソとの国境に設置された柵。柵を挟んで、アメリカ側とメキシコ側で子供や大人が次々とシーソーを楽しんでいる。
空いたシーソーに駆け寄る人の姿や、楽しそうな子供の表情などが印象的だ。
この動画は7月29日に投稿されると、1日で12万件以上のいいね!を集めた。
こちらの動画からは人々の笑い声、英語とスペイン語両方の会話が聞こえてくる。
メキシコ系建築家が考えたシーソー・ウォール
このシーソーを考案したのは、建築家のロナルド・ラエル氏。彼が育ったコロラド州のサン・ルイス・バレーは、1848年の米墨戦争をきっかけにアメリカが獲得した地域で、メキシコ系の住民が多く存在している。
「シーソー・ウォール」と名付けられたこのプロジェクトは、ラエル氏が2009年に描いたアイディアだ。この日、彼は自身のルーツであるメキシコ側でシーソーを楽しんだ。
ラエル氏はInstagramの投稿の中で、「アメリカとメキシコの関係にとって、壁は文字通りに“支点” となりました。片方で起こした行動がもう片方に直接影響を与えるのだとお互いに認識し、子供も大人も意味のあるつながりを持ちました」と、このプロジェクトに込めたメッセージを綴っている。
また、メキシコ出身のエミー賞受賞歌手Mauricio Martínez氏が「私たちがつながっていることを再認識させてくれたよ。美しい方法でね」というコメントと共にツイートし、36万件近いいいねと25万件以上のリツイートを受けている。
Artists installed seesaws at the border wall so that kids in the U.S. and Mexico could play together. It was designed by architect Ronald Rael.
Beautiful reminder that we are connected: what happens on one side impacts the other.
🇲🇽 ❤️ 🇺🇸 pic.twitter.com/vSpfxhtvkX— Mauricio Martínez (@martinezmau) July 30, 2019