バグダディ急襲の作戦名、拉致・殺害された米女性の名前に因んで付けられた
先日、シリアでISISの指導者、アブバクル・バグダディ容疑者を急襲する作戦が行われたが、その作戦名はISISの人質となった人道支援スタッフの女性の名前に因んでつけられていたことが明らかとなった。
人道支援で病院を訪れる時にISISに捕まる
米政府の国家安全保障問題担当大統領補佐官であるRobert O’Brien氏は10月27日、NBCの番組の中で次のように述べている。
「米軍統合参謀本部議長のMark Milley陸軍大将がしたことの1つは、バグダディを捕らえる作戦名をKayla Muellerさんの名前に因んでつけたことです。(略)大統領が指摘したように、正義は、残虐な方法で殺されたアメリカ人やその他の国々の人々にもたらされたのです」
アリゾナ州の街、Prescott出身のKaylaさん(当時25歳)は、2013年にトルコの国境からシリアへ入り、8月にアレッポにある「国境なき医師団」の病院を訪れようとしていた時に、ISISによって拉致されたという。
その後18カ月に及び監禁され、2015年に死亡したと発表された。
The Baghdadi operation was named after Kayla Mueller, who was held hostage by ISIS and killed in 2015 https://t.co/Bvp2u3ME5s pic.twitter.com/QbpSBYAkqR
— CNN Politics (@CNNPolitics) October 27, 2019
「娘に何が起きたのか知りたい」
Kaylaさんの父親、Carl Muellerさんは娘の死の責任は、バグダディ容疑者にあるとして、次のように述べている。
「彼女(娘)はさまざまな収容所で囚われていました。独房で監禁されました。そして拷問され、脅され、最終的にバグダディ本人によってレイプされたのです」
その後、ISISは米軍主導の有志連合による空爆によってKaylaさんが死亡したと発表したが、米政府はその主張を疑っており、いまだに彼女の遺体は見つかっていない。母親のMarsha Muellerさんは次のように語っている。
「私はいまだに、Kaylaがどこに眠っているのか知りたいと思っています。本当に彼女に何が起きたのか、まだ語られていないことを知りたいのです。誰かが知っているはずです。世界にいる誰かが、その答えを私たちに届けてくれることを、心の底から願っています」
またMarshaさんは、トランプ大統領がこの作戦を実行すると決断したことを称え、次のように述べている。
「もし(前大統領の)オバマがトランプ大統領と同じように決断力があれば、恐らく娘はここにいたかもしれません」(了)
出典元:NYPost:Al-Baghdadi operation named after captured aid worker tortured by terrorist(10/27)
出典元:The Washington Post:Kayla Mueller was a U.S. hostage killed in ISIS custody. The raid against Baghdadi was named for her.(10/28)