米軍の退避作戦以来、初めて民間機で100人以上がアフガンから脱出
アメリカ軍などによる退避作戦が終了して以来、初めてアフガニスタンにいる人々が国外へ脱出した。
約113人が「カタール航空」の便でドーハへ
アフガニスタンでは、イスラム武装勢力・タリバンが実権を握って以来、多くの人々がアメリカ軍などの輸送機によって、首都・カブールの空港から国外へ脱出した。
ただ8月31日にアメリカ軍やイギリス軍が、アフガニスタンから撤退。国外へ脱出できなかった人々は、カブールに残されたまま、いまだにタリバンからの報復に脅えているという。
しかし9月9日、約113人が「カタール航空」の旅客機で、カブールの空港からカタールのドーハへ運ばれたそうだ。その中にはアメリカやイギリス、カナダ、ウクライナ、オランダ、ドイツの市民が含まれていたと言われている。
今後も民間機による退避が続く予定
もっとも、カタールの特使であるMutlaq bin Majed al-Qahtani氏は、今回の輸送については「退避」という言葉を使っていない。「通常」の民間フライトだと述べている。
また9月10日にも旅客機がカブールからドーハへ到着する予定で、その後乗客たちにはアフガニスタン人や他の国籍の避難民を受け入れている施設に滞在する予定とされている。
アメリカ国務省の報道官であるNed Price氏によれば、アメリカが退避を求めた39人のうち10人の米国市民と11人の永住権保持者がこのフライトに搭乗しており、カナダは自国民43人、イギリスとオランダはそれぞれ13人が搭乗していたという。
米国務長官もタリバンに謝意を表明
アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は、今回のフライトについて、タリバンやカタールに対し感謝の意を示し、次のように述べたという。
「このフライトは、アフガニスタンからの退避を求める自国民やその他の人々を支援するという、アメリカの取り組みを具体的に実証するものです」
また米国家安全保障会議の報道官であるEmily Horne氏も、このフライトにおけるタリバンの協力を称え、「彼ら(タリバン)は柔軟性を示してくれました。また、この取り組みにおける彼らの対応はビジネスライクでプロフェッショナルなものでした」と述べ、さらなる出国を確保するための努力を継続すると付け加えた。
現在、カタールは欧米の仲介役としてタリバンと交渉しており、カブールの空港も管理していると言われている。(了)
出典元:The Guardian:Afghanistan flight carrying more than 100 foreign passengers lands in Doha(9/10)