日本人とオランダ人は、自国の人間を笑い声だけで識別できると判明:大学調査
オランダ・アムステルダム大学が、オランダや日本の研究者たちと協力して、面白い実験を行った。両国のボランティアたちに笑い声の録音を聞かせ、声の主が自分と同国人かどうかを判定してもらったのだ。
笑い声だけでわかってしまう
研究者たちは、多くのオランダ人と日本人の笑い声を録音し、それを273人のオランダ人と131人の日本人に聞かせた。録音はどれもごく短時間で、被験者たちは笑い声そのものしか聞くことができない。
笑い声を聞いた被験者たちに、「笑いの主が自分と同じ文化圏の人かそうでないか」を尋ねたところ、被験者全員の回答がほぼ正解だったという。
具体的な正解率は、日本人被験者では約77%。オランダ人被験者では約73〜76%。これだけ高確率であれば、「笑い声で自国人か否かを識別できる」と言って構わないようだ。実験を主導したアムステルダム大学の心理学者・Roza Kamiloğlu氏はこう言う。
「笑い声を聞いた被験者たちは、笑っている人が自国の文化圏の人かどうかを、偶然とは言えない正確さで識別できる。そのことを今回の実験結果は示しています」
爆笑でも愛想笑いでも
この実験調査では、被験者たちに2種類の笑い声を聞かせている。1つは本当におかしくて笑っている声。もう1つは、いわゆる愛想笑いだ。
過去の研究では、愛想笑いの方が笑っている本人を特定しやすいという結果が出ているそう。愛想笑いは本人が意図的にコントロールしやすく、そこに個人的な特徴が出やすいからだと言われている。
これから推測して、今回の実験でも、愛想笑いの方が正解率が高いだろう、と研究者たちは考えていた。ところが、結果はどちらもほとんど差がなかった。つまり、本当におかしくて笑った笑いでも、愛想笑いでも、聞いた人はそれが同国人かどうかを聞き分けられるというわけだ。
心底からの笑いはコントロールできず、個人の癖や特徴が出にくいが、心に根付いた国の文化の違いは出てしまうようだ。(了)
出典元:University of Amsterdam:Can we tell someone’s cultural group from the way they laugh?(11/15)
出典元:Philosophical Transactions B:Perception of group membership from spontaneous and volitional laughter(11/15)
出典元:MailOnline:You’re having a laugh! Dutch and Japanese people can detect if a person is from the same country as them based on the sound of their chuckles, study finds(11/16)