豪で1300本以上の足を持った新種のヤスデを発見、2倍近くも記録を塗り替える
数多くの足を持ったヤスデがオーストラリアで発見され、これまでの記録を塗り替えた。
鉱物探査用の穴の中で発見
そのヤスデを発見したのは、オーストラリア・シドニーにあるマッコーリー大学・進化生物学者のBruno Buzatto氏らだ。
Buzatto氏と研究チームは2020年、オーストラリア南西部のゴールドフィールド地域にある、鉱物探査のために掘られた穴の中で、ヤスデを発見。
ヤスデはドリルで開けられた直径1.5cmの穴、地下60mのところにおり、その後調べたところ新種だと明らかになる。
最大330の節からなる
このヤスデは、最大330の節から成り、長さは最大で9.57cm。しかし足が、なんと1306本もあったという。
これまでの記録は、アメリカのカリフォルニア州で発見された「Illacme plenipes」という種類のヤスデで、足の本数は750本だったそうだ。
しかし今回、発見された新種のヤスデは、その約2倍の足を持っていたとして、研究者の間では驚きが広がっているとか。
Buzatto氏は「過去10年ほどの間に、この魅力的な地下環境で多くの新種の無脊椎動物を発見してきました」と述べている。
DNA分析では遠い親戚と判明
この新種のヤスデは、ギリシャ神話に出てくる冥界の女神「ペルセポネ」などに因み、「Eumillipes persephone」と命名された。
「E. persephone」には目がなく、コーンの形をしたくちばし状のものを持ち、地中を移動するための巨大な触角を持っているという。
そして、このくちばし状ものは、くさびのような形をしているため、狭い隙間を探って這うのに最適なのだと考えられている。
「E. persephone」と「I. plenipes」は、外見上よく似ているが、DNA分析では遠い親戚に過ぎないことが示唆されたそうだ。
研究者らは、両種とも多数の節と脚が、生息する土の中の狭い隙間を通り抜けるために進化した可能性があると指摘している。
ヤスデは、大気中の酸素を吸えるようになった最も古い動物の一つで、4億年以上も前から生息しているという。また体長2メートルにまで成長した絶滅種もいたそうだ。(了)
出典元:ABC News:You’ll never guess how many legs this millipede actually has(12/20)