「すでに第3次世界大戦が始まっている」ロシア国営テレビの司会者が発言
ロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」の沈没を受け、ロシア国営テレビは第3次世界大戦について言及した。
「ロシアとの直接対決に相当する」
ロシア国営テレビ「チャンネル1」の番組では14日、ミサイル巡洋艦「モスクワ」の沈没を受け、白熱した議論が行われたという。
番組の司会者で、プーチン大統領の宣伝係とも揶揄されてきたオルガ・スカベーエワ氏は、西側のウクライナへの支援はロシアとの直接対決に相当すると主張。次のように述べた。
「このエスカレートした状態は、第三次世界大戦と呼んで差し支えないでしょう。これは完全に間違いありません。NATOそのものとまではいかなくても、(ロシア軍が)NATOのインフラと戦っていることは間違いありません。それを認識する必要があります」
ロシア軍発表とは矛盾した発言
ただ、スカベーエワ氏の発言は「モスクワ」の沈没を受けたものだが、まだロシア軍は、ウクライナ軍の攻撃で沈没したとは認めていない。
しかも番組にゲストで出演した男性も、「モスクワ」が単に火災で沈没したと発表されているにも関わらず、この船への攻撃をロシア本土への攻撃に例えたという。
またこのゲストは、『特別軍事作戦』という言葉を使わず、ロシアで禁止されている『戦争』という言葉を使い、ウクライナのキーウは破壊されるべきだ、と述べたそうだ。
このような自己矛盾は、実はロシア軍の行動にも見られる。ロシア軍は「モスクワ」が単に火災で沈没したと主張しているにも関わらず、沈没後には報復をするかのように、ウクライナの首都に多くのロケット弾を撃ち込んだ。
またロシア国防省も、沈没の翌日となる15日、「ウクライナ側によるロシア領土へのテロ攻撃や破壊活動に応じ、キーウへの攻撃の回数と規模が増えていく」と警告した。
防衛システムをドローンで攪乱か
親ウクライナの情報筋によれば、ウクライナ軍は「モスクワ」の対ミサイル防衛システムを混乱させるために、ドローンを使ったという。
また「モスクワ」側が、上空を旋回しているドローンに銃を向けている間に、陸上から発射された2発の「ネプチューン」対艦ミサイルが、軍艦の左舷に命中したそうだ。
ロシア側は、500名の乗組員が退避したと発表しているが、多くが犠牲になったともいわれている。
今回の「モスクワ」撃沈は、ウクライナ軍の最大の軍事的成功の1つになるという。(了)
出典元:METRO:Russian state TV declares World War Three has started after sinking of Moskva(4/15)