ウクライナとの戦争を公然と「侵略」と批判したロシア野党の政治家、警察に拘束される
先日、ロシアの警察は、ウクライナとの戦争を公然と批判した野党の政治家を拘束した。
有罪になれば、5年の禁固刑
拘束されたのは、ロシア第4の都市エカテリンブルクの前市長、エフゲニー・ロイズマン(Yevgeny Roizman)氏だ。
彼は、ロシアのウクライナへの攻撃を「侵略」と表現し、公然とプーチン大統領を批判してきたという。
このことからロイズマン氏は、ロシア軍への批判を禁止する新法に基づき、警察によって拘束されたそうだ。起訴され有罪になれば、5年の禁固刑に処される可能性があると言われている。
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ロシア政府は逮捕への批判を警戒か?
ロイズマン氏は、野党議員の中では珍しく選挙で成功を収めた人物と言われ、2013年から2018年まで、選挙で当選してエカテリンブルク市長を務めた。
ロシア当局は、ロイズマン氏の逮捕が地元の人々を怒らせるかもしれないという兆候があることから、捜査を続ける間、彼をモスクワに移送すると発表したという。
2020年にセルゲイ・フルガール地方知事が逮捕された後、数カ月に及ぶ抗議活動が繰り返されたのだが、ロシア政府はそのことを恐れているとの見方も出ている。
「私はどこでも侵略と言っている」
ロイズマン氏は、反プーチンの中心人物であるアレクセイ・ナワリヌイ氏の支持者であり、ウクライナとの戦争を公然と批判した野党の政治家のうち最も著名な人物とされている。
彼は今年の3月、オブザーバー紙のインタビューにおいて「(ナチスドイツの)第三帝国時代の反ファシストの気持ちが分かった。しかし、私は逃げることはできない、そんなことは許されない」と答えていたという。
その記事で引用された6人の活動家のうち3人は、その後逮捕されており、多くの人もロイズマン氏の逮捕は時間の問題だととらえていたようだ。
警察に拘束されたロイズマン氏は、階段の吹き抜けで待っていたジャーナリストたちの前を通り、アパートから連れ出されたという。
その際、ジャーナリストから「どこで侵略という言葉を使ったのか?」と問われ、ロイズマン氏は「私はどこでも言っている」と答えたそうだ。
2月下旬以降、ロシア全土で1万6500人近くが戦争への抗議を理由に拘束されている。(了)
出典元:The Guardian:Russia detains opposition politician for calling Ukraine war ‘an invasion’(8/24)