「ウクライナとの戦争で負ける可能性がある」露国営テレビで出演者が異例の発言
ロシア国営テレビの番組で、ある有識者が異例ともいえる発言を行い、同席したゲストらを驚かしたという。
著名な映画監督が発言
その有識者とは、ロシアで著名な映画監督であるカレン・シャフナザロフ氏だ。
彼は先日、国営放送「ロシア1」のテレビ番組に出演。ウクライナでの紛争について、次のように述べたそうだ。
「私たちが負けた場合、最も深刻な結果をもたらす状況になります。そのため私たちは負ける可能性があることを認める必要があります。私は『そんなことを言うな!私たちが勝つ!』という人には、同意しません。(略)もし人々が異なる結果の可能性を見なければ、また物事が勝手になるようになる、と信じているなら、それは正しくはありません」
I haven’t seen anything like this on Russian state TV since Ukraine’s counter-offensives last year
Karen Shakhnazarov says Russia needs to recognise the fact that it might lose and that anyone who thinks the West is about to fall apart is deluding themselves pic.twitter.com/FpPQDR2txo
— Francis Scarr (@francis_scarr) March 2, 2023
「欧米の結束を甘く見ていた」
さらにシャフナザロフ氏は、次のように続けた。
「人々は自分の目で、真実を見極められなければなりません。人々は自分たちの力や弱さ、そして状況を見極めなければなりません。私たちは欧米の結束を甘く見ていました。私たちは常に、西側諸国は崩壊寸前だ、ベルリンでデモが起きている、などと言い続けてきました。しかし、それは起きません。崩壊することはありません。西側諸国が勝てると感じたら、彼らは勝とうとするでしょう」
またウクライナのゼレンスキー大統領について、同氏は単なる西側の傀儡ではないと主張。次のように述べている。
「ウクライナとゼレンスキーを真剣に扱う必要があります。彼は危険だ。彼はバカではない。彼はエネルギッシュです。彼はこの物語(戦争)で大きな役割を担っています。彼は単なる操り人形ではない」
ロシア国営テレビでこのような発言が出るのは極めて珍しく、動画を投稿したBBCのジャーナリスト、フランシス・スカール氏も「昨年のウクライナ侵攻以来、ロシアの国営テレビで、このようなことは見たことがない」と述べている。(了)
出典元:METRO:Russian TV pundit stuns guests by admitting ‘we could lose in Ukraine’(3/3)