史上最悪の植物に突っ込んだ女性、両足の耐えがたい痛みに苦しむ【オーストラリア】
オーストラリアで、ある植物に突っ込んでしまった女性が、そのつらい経験を語っている。
「ギンピ・ギンピ」という植物
その女性とは、クイーンズランド州北部の町、ケアンズで暮らすナオミ・ルイスさん(42)だ。
4人の子供の母親であるナオミさんは、昨年6月、自宅近くでマウンテンバイクに乗っていたという。
しかしバイクから降りて、コースを離れた時、堤から滑り落ち、「ギンピ・ギンピ(Gympie-Gympie)」として知られている刺(刺毛)のある植物に突っ込んでしまったそうだ。
細かい棘が皮膚に食い込む
その時、ナオミさんは両足に激痛を感じたが、皮膚には「ギンピ・ギンピ」の葉や茎にある細かい棘(毛)が食い込んでいたという。
しかもその棘は、小さな皮下注射針のように毒を注入していたそうだ。ナオミさんの夫は、彼女を車に乗せて、近くの薬局へ行き、ワックスを購入。それを彼女の両足に塗り、棘を取り除こうとしたそうだ。
ナオミさんは、その時の痛みについて「100%史上最悪の痛み」だったと言い、その感覚を「火をつけられたような感じ」だとし、次のように語っている。
「痛みは耐え難いほどでした。身体には痛みの閾値があるのですが、その時に嘔吐が始まったんです。私は4人の子供を産みましたが、3人は帝王切開、1人は自然分娩でした。しかしこの痛みは、そのどれにも当てはまりませんでした」
9カ月たっても時折、痛みが走る
その後、ナオミさんはケアンズ病院の救急部に搬送されたが、医師にできることは、痛みを和らげることと、温めた毛布で足を覆うことくらいしかなかったとか。
しかし温かい毛布で、少し痛みが落ち着いたため、医師たちはナオミさんの足に、毛布を掛け続けたそうだ。
やがて彼女はケアンズ・プライベート病院へ移され、そこで7日間、鎮痛剤による治療を受けるが、自宅に戻っても足にヒートパックを巻いて生活を続けたという。
鎮痛剤から解放されたのは、クリスマス近くになった頃。しかし事故から9カ月たった今でも、エアコンの風に当たると、足の一部分が「輪ゴムでパチンと弾かれる」ような痛みを感じるそうだ。
「ギンピ・ギンピ」はイラクサ科に属し、主にオーストラリア北東部の熱帯雨林に自生、刺毛から神経毒を送りこむと言われている。(了)
出典元:ABC.net:Gympie-Gympie stinging tree causing hospitalisations in Far North Queensland(3/23)
出典元:METRO:Woman’s pain after falling into ‘world’s most dangerous plant’(3/25)