ダースベイダーの声をAIで生成、ウクライナの企業が再現に成功
映画『スターウォーズ』のダースベイダーの声を演じていた、ジェームズ・アール・ジョーンズ(91)さんは引退を計画しており、その声をAIが引き継ぐ可能性が出ている。
本物よりもリアルな声を表現
ジョーンズさんはすでに、ダースベイダーの声をAIで再現するために、ウクライナのスタートアップ企業「Respeecher」と契約を交わしているという。
また「Respeecher」は、ディズニープラスのドラマ『オビ=ワン・ケノービ』で、ジョーンズさんの過去の演技をもとに、ダースベイダーの声をAIで再現したそうだ。
「Respeecher」は『オビ=ワン・ケノービ』において、別の俳優が読むセリフに重ねることで、本物よりもリアルに聞こえるダースベイダーの声に仕上げたという。
そして今後も、ダースベイダーの声をAIによる合成音声が担うと言われている。
James Earl Jones has officially stepped away from voicing Darth Vader. #ObiWanKenobi was the first Star War project using the Respeecher technology to bring his old Vader voice from the original trilogy back.
Source: https://t.co/MZMJHeVAXM pic.twitter.com/iDrU439y6Y
— Star Wars Chronicle (@theswchronicle) September 24, 2022
ロシア軍の侵攻で作業は中断するも…
「Respeecher」によれば、ルーカスフィルムとの最初の仕事は、『マンダロリアン』と『ボバ・フェット(の書)』に登場する若きルーク・スカイウォーカーの声を作り上げることだったという。
そして今回のダースベイダーの声も、ジョーンズさんが引退をすることになり取り組んだのだが、実は2月にロシアがウクライナへ侵攻し、ロシア軍の戦車が首都キーウの近くまで来た時、仕事は中断されたそうだ。
それでも海外の情報機関のおかげで、リスクが高いことは分かっていたため緊急対応計画を用意して準備していたという。このため作業に関しても、最大で1日程度の遅れしか生じなかったそうだ。
Respeecher社の最高技術責任者であるDmytro Bielievtsov氏によれば、今後はこの技術を使い、医療への応用を考えているという。
例えば喉頭摘出手術を受けた患者が、摘出された声帯を機械的な装置に置き換えられても、再び自然な声で話せるようにしたいと語っている。(了)
出展元:The Guardian:The droids you’re looking for: how Ukrainian AI recreated Darth Vader’s voice(9/27)