「GAP」もカニエ・ウェストとのパートナーを解消、一連の差別発言受け
ファッションブランドの「GAP」は、ラッパーのカニエ・ウェスト氏(45)との提携解消を明らかにした。ウェスト氏の最近の差別発言を受けた措置と考えられている。
ツイッターやインスタでも差別発言
「イェ(Ye)」の名前で活動するウェスト氏は最近、さまざまな言動で物議を醸していた。
パリで開催されたファッションショーでは、「ホワイト・ライブズ・マター(白人の命が大切)」のトレーナーを着て、反人種差別の「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命が大切)」の運動は詐欺だと語っていたという。
またその後も、ツイッターやインスタグラムで「ユダヤ人にデスコン3を仕掛ける」と投稿し、ユダヤ人差別を助長。この結果、ツイッターやインスタグラムのアカウントも凍結されたそうだ。(インスタの凍結は24時間で、現在は解除されている)
そして今回、一連の差別発言を受け、ファッションブランド「GAP」も提携を解消。ウェスト氏とコラボしたブランド「Yeezy Gap」の製品も店舗から撤去され、ウェブサイト「YeezyGap.com」も削除されたという。
「価値観に照らして容認できない」
「ホワイト・ライブズ・マター」は、反人種差別運動に対抗し、主に白人至上主義者らが唱えている言葉で、「デスコン3」も、「デス(死)」と「デフコン3(米警戒レベル)」をかけ合わせた言葉と考えられている。
「GAP」は提携解消について、声明で次のように述べている。
「反ユダヤ主義、人種差別、憎悪はいかなる形であれ許しがたく、我々の価値観に照らして容認できるものではありません。イェの最近の発言や行動は、受け入れがたい、憎悪に満ちた危険なものであり、多様性と包摂、相互尊重と公正という当社の価値観に違反しています」
「アディダス」など他の企業も解消
もっとも提携を解消したのは「GAP」だけではない。ドイツの「アディダス」も10月25日、10年に及ぶウェスト氏とのパートナー関係を解消すると発表。声明でも次のように述べていた。
「アディダスは、反ユダヤ主義やその他のあらゆる種類のヘイトスピーチを容認しません。イェの最近の発言と行動は、受け入れがたい、憎悪に満ちた危険なものであり、多様性と包括性、相互尊重と公平性という会社の価値観に反するものです。徹底的な検証の結果、イェとのパートナーシップを直ちに終了し、Yeezyブランド製品の生産を終了し、イェと彼の企業への支払いをすべて停止する決定を下しました。アディダスはAdidas Yeezyの事業を即刻停止します」
また、フランスのファッションブランド「バレンシアガ」も先週、ウェスト氏との関係を解消。
24日には、ハリウッドの大手芸能事務所「CAA」が契約打ち切りを発表しており、映画・テレビ制作会社「MRC」は、すでに完成していたウェスト氏のドキュメンタリーの公開を中止すると表明している。(了)
出典元:METRO:Gap cuts ties with Kanye West ‘immediately’ as Yeezy line is pulled from stores and website shut down: ‘Anti-Semitism is inexcusable’(10/25)