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歌手のシンニード・オコナーさんが死去、先駆けて教会の性的虐待を告発

歌手のシンニード・オコナーさんが死去、先駆けて教会の性的虐待を告発
Twitter/Mayim Bialik

アイルランド人の女性歌手、シンニード・オコナー(Sinéad O’Connor)さんが亡くなった。56歳だった。

 

アーティストであり活動家

 

オコナーさんは1966年にダブリン南部で生まれ、1987年にリリースされたデビュー・アルバム『The Lion and the Cobra』が、グラミー賞にノミネートされたという。

 

そして1990年、シングル曲『Nothing Compares 2 U』でチャートの首位を獲得。一躍脚光を浴びることに。

 

ただ彼女はアーティストとして世界を魅了し続けたと同時に、活動家としても行動し、時に世間に対して衝撃を与えたと言われている。

 

オコナーさんの家族は7月26日、声明を発表。「私たちの最愛の人であるシンニードが亡くなったことを、大きな悲しみとともにお知らせします。彼女の家族と友人たちは打ちのめされています」と述べた。

 

カトリック教会での性的虐待を告発

 

オコナーさんは、まだ多くの人々に認知されていなかった時から、カトリック教会での性的虐待問題を告発。

 

1992年にアメリカのテレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』に出演した際には、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の写真を破り捨てたという。

 

当時は、彼女に対して殺害予告やラジオのボイコットもあったが、現在ではカトリック教会による性的虐待スキャンダルの隠蔽が暴露され、オコナーさんの正当性が証明された。

 

またオコナーさんは2000年にアメリカの雑誌に対し、レズビアンであることを告白。2018年には、イスラム教に改宗し、名前をシュハダ’に変えたが、元の名前でパフォーマンスを続けたそうだ。

 

2021年、彼女は回顧録『Rememberings』を出版し、1985年に交通事故で亡くなった母親から受けた幼少期の虐待や、問題を抱えた学生時代、窃盗症、ポップスターとしての活動、破局、そして精神的な不調について綴ったという。

 

2022年に発表されたドキュメンタリー『Nothing Compares』では、率直な発言や、弱者や声なき人々の声を代弁するなど、#MeTooの原型ともいえる時代を先取りした女性としてオコナーさんが描かれたそうだ。

 

オコナーさんには4人の子供がいたが、1年半前には17歳の息子シェーン君が死亡。彼女も精神的に、ひどく打ちのめされたと言われている。

 

今回オコナーさんの死を受け、アムネスティ・インターナショナル・アイルランドのColm O’Gorman氏は、次のように語った。

 

「これほど社会的、文化的に影響を与えたアーティストは、ほとんどいませんでした。なんという損失でしょう。彼女の子供たち、家族、そして彼女を愛したすべての人々に心から哀悼の意を表します」(了)

 

出典元:The Guardian:Sinéad O’Connor dies aged 56(7/26)

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