HIV陽性の子供たちを多く引き取り、育てているインド人男性が話題に
インドでHIV陽性の子供たちを多く引き取り、世話をしている男性が話題となっている。
●HIV陽性で親に見放された子供たち
その男性とはムンバイに住むRajib Thomasさん(44)。英紙METROによれば、彼にはMini Rejiという奥さんと2人の実子がいるが、それ以外にも多くの子供たちを10年近く育ててきたという。
子供たちは皆、HIV陽性と診断され、多くが親が亡くなりまたは親から見放されてしまったため、Rajibさんが引き取り続けてきたそうだ。
そして奥さんのMiniさんが毎日3回の食事を用意し、Rajibさんも子供らのために教育費や医療費を負担するなど面倒を見続けていると言われている。
●1人の少女との出会いがきっかけ
RajibさんはMETROの取材に対し、子供らを引き取るきっかけについて次のように述べている。
「それは2007年のことでした。私は病院の外でHIV陽性の少女と出会いました。骨が浮き出るほど弱っていました。私は何か食べたいものはないか、と尋ねました。すると彼女は、ヌードルが食べたいと。しかしどこを探しても売っている場所は見つかりませんでした。そのため翌日には再び来るから、と約束したんです」
「しかし次の日、そこへ行ってみると、少女がもはやこの世にはいないと知らされたのです。私はその知らせを聞いて、打ちのめされました。その時、私はこのような子供たちのために何かしたい、と考えたのです」
●人々が寄付をしてくれるように
その後、彼はHIV/AIDSの専門家であるDivya Mithale氏と面会。Mithale氏の紹介で、HIV陽性のために親から捨てられた2人の赤ん坊を引き取ることに。
さらに2009年には奥さんと実の子供、そして2人の赤ちゃんのために、より広い家へと引越ししたという。
当時の生活についてRajibさんは、次のようにコメントしている。
「最初は家計をやりくりするのが大変でした。しかし私たちは『楽しみ』を諦め、子供たちを育てることによって、困難な時期を乗り越えてきました。すると徐々に人々がマットレスや食べ物、お金も寄付してくれるようになったのです」
●誕生日に祝い、病院へも連れて行く
その後も、さまざまな病院からHIV陽性の子供たちを引き取り続けてきた結果、当初4人だった家族が今では24人にまでなっているそうだ。
そしてRajibさんは時には愛情を込めて子供たちを怒ることもあるが、病気になれば病院へ連れて行き、誕生日には必ずお祝いしているとか。
彼は最後に、次のように語っている。
「この子供たちは皆、私のことを『パパ』と呼びます。子供たちを守ることは、父親としての当然の義務です。だから私は特別なことをしているわけではありません。ただ単に子供たちの世話をしているだけなのです」
この言葉は預かった子供らが、彼にとって本当の子供と同じだということを表しているのかもしれない。
出展元:METRO:Man adopts 22 HIV-positive children who were abandoned by their parents(2/11)