森林火災に出動したオーストラリアの兵士たちが、空き時間にコアラの看護
勢いは弱まっているものの、まだ収束していないオーストラリアの森林火災。同国のスコット・モリソン首相は、今月の始め、3,000名の陸軍予備兵を東部の州に派遣し、消火・救出活動に当たらせた。
その隊のひとつ、第16連隊緊急支援部隊の兵士たちが、コアラの看護をしているという珍しい写真がFacebookに投稿され、今話題になっている。
火傷を負ったコアラを看護
軍のFacebookに投稿された写真には、こんな文が添えられている。
第16連隊緊急支援部隊はCleland自然公園にて、休息時間にも奉仕活動を行い、毛のふわふわした友達(コアラ)の授乳を助けたり、公園内に木登りできる場所をつくったりしてきました。おかげで、アデレード・ヒルズ地域で頑張る隊員たちの士気が高まっています。
1月24日のこの投稿は、2日後には4万3000回以上シェアされた。その拡散ぶりに注目した海外メディアが、部隊と共に働く軍の獣医に取材した。Garnett Hall獣医はこう話す。
この森林火災で最も苦しんだのは、オーストラリア固有のコアラのような動物だと思います。危険が迫ったとき、彼ら(コアラ)は本能的に木の上に逃げます。これが悲劇を招くのです。彼らは燃え広がる炎から逃げられず、ほとんどが死にます。生き残ったとしても、手足や顔に酷い火傷を負うことになるのです。
コアラの恐怖心を和らげる
救出されたコアラを看護する上で最も大変なのは何か、と尋ねられたHall獣医はこう答えている。
一番の難関は、痛みとストレスの軽減です。生き残ったコアラの多くは広範囲な火傷があり、それは非常な痛みを伴うはずです。それに加えてコアラたちは恐れおののいています。住処だった木々はなくなり、仲間は全員死んでしまったかもしれず、さらに、治療のために見知らぬ場所に連れて来られているわけですから。
我々は痛み止めの薬や鎮静剤を活用していますが、傷の洗浄や、被覆材の交換などで痛みやストレスを与えないようにするのは、やはり難しいことです。
兵士たちが喜んでコアラの手当や看護を手伝ってくれるので、Hall獣医はとても助かっているそうだ。(了)
出典元:boredpanda:Australian Army Soldiers Spend Their Rest Time Caring For Koalas Affected By The Bushfires(1/30)
出典元:WPHM:Australian army soldiers cuddle, feed koalas rescued from bushfires(1/28)